日本人の心のふるさと「伊勢神宮」へ行こう!Vol.4 ついに来ました!「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」をおまつりする「内宮」を参拝

はじめてのお伊勢さんをVol.1で二見浦海岸の二見興玉神社からスタートした伊勢神宮正式参拝の旅。「お伊勢参りは外宮から」のならわし通り、Vol.2では、「外宮」をお参りし、グルメストリートといわれる「おはらい町通り」で伊勢名物も堪能したVol.3。いよいよ、今回は「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」をおまつりする「内宮」を参拝します。

日本の太陽神は女神様

内宮には皇室の御祖神であり日本の総⽒神、天照⼤御神をおまつりする「正宮」があり、正式には「皇⼤神宮」といいます。天照⼤御神は太陽神の女神様。世界的に太陽神は男神がほとんどのため、女神様は大変珍しいそうです。

神路山、島路山の麓、五十鈴川のほとりに鎮座する日本で最も神聖な場所。今から2000年前に皇位のしるしとして受け継がれた三種の神器の一つである八咫鏡(やたのかがみ)をご神体としておまつりしているそうです。そう、あの天照大御神を映した鏡です。レプリカはあるそうですが、実物は現在生きている人で見た人は存在しないとか…。だれも見たことのない鏡についての詳細はVol.1でおさらいしてくださいね。

でも、20年ごとの立て直しなどで引越はされているはず、ということは誰が移動させたのでしょう…?ますます伝説度が増します。そんな話も専門の「お伊勢さん観光案内人」の方に聞くことができるのでしょうか?さて、参拝とまいりましょう!

目からウロコの「お伊勢さん観光案内人」のお話がスタート!

「お伊勢さん観光案内人」の川口さん

「お伊勢さん観光案内人」の川口さん

内宮前で「お伊勢さん観光案内人」のお一人、川口さんと合流しました。川口さんはこの道十数年。横浜にも住んでいたことがあるというインテリジェンスな男性です。さあ、いよいよ内宮巡りがスタート。ガイドブックやサイトなどに載っていない、お伊勢さんのお話が聞けそうでワクワクです。ガイドさんによる豆知識は必見ですよ!

内宮の説明書きにもしっかり目を通して!

内宮の説明書きにもしっかり目を通して!

まずは「伊勢神宮とは?」「内宮とは?」という基本の説明を受けます。

お伊勢さん観光案内人からの豆知識その1

大鳥居

大鳥居

ここが神聖な世界への架け橋。まずは大鳥居の前で一礼してから宇治橋へ進みます。「身も心も正して、清浄な宮域に入る」という心構えが大切だそうです。

鳥居は、神域側は旧内宮の御正殿の東持柱を削って使用、入口側は旧外宮の御正殿の東持柱を削って使用しているそうです。この鳥居たちは数年後には別の神社の鳥居として新たな生を得るそう、ご利益のあるリサイクルが素晴らしいですね!

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宇治橋

外宮では左側を歩くのがルールでしたが、内宮は右側通行です。

お伊勢さん観光案内人からの豆知識その2

日本人の心のふるさと「伊勢神宮」へ行こう!Vol.4 ついに来ました!「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」をおまつりする「内宮」を参拝

擬宝珠

この橋には「擬宝珠(ぎほし)」が16基あります。擬宝珠の先端の形は日本人が考える「心」の形だそうです。最も古い擬宝珠は、神宮に向かい左2番目で、1619年につくられたもの。この中には1万回おまつりをしている「萬度麻(まんどぬさ)」というお札を納めています。「触ると幸福が訪れる」「またここに戻って来られる」といわれているそうです。私も、もちろん触りました!

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「宇治橋」は、全長101.8m、巾8.4mのヒノキとケヤキでつくられた橋。昔は傷みがひどいときに修繕していたそうですが、明治22年(1889)から20年に一度、架け替えされるようになり、最近では平成21年に新しくなりました。

お伊勢さん観光案内人からの豆知識その3

宇治橋はよく見ると、真ん中に少し高くなった仕切りがあり、その両側の色が違います。これはなぜかというと、「内宮は右側通行」という点に答えがありました。内宮内は白い石が敷き詰められた砂利道です。参拝をした帰り道には白い石の上を歩いた靴で橋を渡るので、片方だけが白くなったそうです。そして真ん中の仕切りですが、天皇陛下が訪れる際、車が通れるように合わせた高さだそう。

お伊勢さん観光案内人からの豆知識その4

「木除杭(きよけぐい)」

木除杭

宇治橋の片側になにやら柱のようなものが立っています。これは何でしょう?

この柱は「木除杭(きよけぐい)」といい、五十鈴川の増水や氾濫の際に、上流から流れてくる流木が橋脚へ当たることを防ぎ、橋を守る役目があるそうです。しかし、よく見ると川は逆に流れているのです。なぜでしょう?それは、風なのだそう。風向きが下流から上流に吹いているため、流れが逆に見えるのだとか。不思議ですね。

「奉納相撲」が行われる神苑

「奉納相撲」が行われる神苑

橋を渡ると広々とした広場のような場所、「神苑」に出ます。ここは力士たちが日ごろ鍛錬を重ねた技を天照大御神に奉納する「奉納相撲」が行われるところ。ぜひ、見てみたいものです。

広々としていて気持ちが良い参道

広々としていて気持ちが良い参道

天皇陛下がいらっしゃるときにご宿泊される場所。

天皇陛下がいらっしゃるときにご宿泊される場所

五十鈴川で手を清める方々がいっぱい

五十鈴川で手を清める方々がいっぱい!

しばらく進むと右手に川が現れました。ここが「五十鈴川」。五十鈴川は、「御裳濯川(みもすそがわ)」とも呼ばれ、倭姫命が御裳のすそを濯いだことから名付けられたと伝えられています。今では手水舎がありますが、昔はこの川で手水舎と同じようにお清めをしたそうです。それにならい、今でもこの川の水に手を入れ清める人が多くいます。はい、もちろん私もつけました!

お伊勢さん観光案内人からの豆知識その5

五十鈴川に投じられたお賽銭

五十鈴川に投じられたお賽銭

既にご存じかもしれませんが、伊勢神宮にはお賽銭箱がありません。その理由は私幣(天皇以外の人々が神社に献げるお供えもの)禁断とされていて、個人的なお供えものは禁じられています。伊勢神宮はお願い事をするのではなく、日々の感謝を伝える場所なのです。しかし、やはり、慣れ親しんだ風習からなのか、神様の前に出ると、どうしてもお願いごとをしたくなりますよね。その際、お賽銭は欠かせないというクセが出て、五十鈴川にもたくさんのコインが投げ入れられていました。このコイン、どうなるかというと、神社の清掃係の方々が掃除するそうです。清掃の手間を省くためにも、五十鈴川へのコイントスはご法度ですね。

皇大神宮(内宮)の正宮と別宮を参拝

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正宮

御正宮に到着しました!20段ほどの石段を上ると、その奥には天照大御神をおまつりする皇⼤神宮が鎮座しています。撮影はここまで。階段の下からのみ、許されています。この奥には美しい祠(ほこら)があります。気になる方、ぜひ行ってみてくださいね!

お伊勢さん観光案内人からの豆知識その6

日本人の心のふるさと「伊勢神宮」へ行こう!Vol.4 ついに来ました!「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」をおまつりする「内宮」を参拝

参道の杉には竹が巻いてあります。さて、どうしてでしょう?

木に竹が巻いている場合、通常は虫をそこに集めて木を虫食いから守るためですが、伊勢神宮の場合は虫ではなく「人害」。以前、参拝の記念にと杉の木の皮をはいで持って帰る人がたくさんいたそうです。そのため杉の木が弱り、傷んだために巻かれたのだとか。

お伊勢さん観光案内人からの豆知識その7

「御贄調舎(みにえちょうしゃ)」

御贄調舎

御正宮階段の正面に、なにやら休憩所のような屋根だけある場所があります。ここは何でしょうか?

実は、この場所は「御贄調舎(みにえちょうしゃ)」といい、内宮の祭典の際、「御饌津神(みけつかみ)」である外宮の「豊受大御神(とようけだいじんぐう)」をここにお迎えし、神饌の代表としてアワビを調理する儀式が行われます。そう、アワビを切るだけのための場所だそうです!神様って、すごい!

お伊勢さん観光案内人からの豆知識その8

「御稲御倉(みしねのみくら、ごとうのみくら)」

御稲御倉

「御稲御倉(みしねのみくら、ごとうのみくら)」は内宮の所管社の一つ。神宮神田で収穫し、三節祭でお供えされる御稲がここに奉納されます。建物の規模は小さいですが、内宮の「唯一神明造」の特徴を近くで見ることができます。さて、その特徴とは?

唯一神明造とは、日本古来の建築様式です。その特徴は、檜の素木造りで丸柱の掘立式で礎石を使用しないこと。また、切妻・平入の高床式で棟木の両端を支える棟持柱があること。そして萱葺の屋根の上には鰹木が置かれ、千木は屋根の搏風が伸びた形状であることだそうです。

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ここは神様へのお食事をお作りする台所。通常、外宮でお作りしたものを内宮に運ぶのですが、内宮内にもキッチンがあるんですね。入ってみたいものです。

お伊勢さん観光案内人からの豆知識その9

「四⾄神(みやのめぐりのかみ)」

四⾄神

内宮の神域の守り神をお祀りする所管、「四⾄神(みやのめぐりのかみ)」です。

社殿や御垣はなく、石畳の上にまつられているため、パワースポットだと思って手をかざす方が多いそうです。神様をお祀りする場所なので「二拝、二拍手、一拝」の作法でお参りします。くれぐれもパワー吸収ジェスチャーをしないように!

「荒祭宮」

荒祭宮

別宮の荒祭宮をお参りします。内宮の中で最も格式の高い別宮で、御祭神は天照大御神荒御魂。神様の御魂のおだやかな働きを、「和御魂」というのに対して、荒々しくご神威をあらわされる御魂の働きを、「荒御魂」といい、たたえます。

樹齢400年の杉の木(左上写真)と絵になる風日祈宮橋(右上写真)

樹齢400年の杉の木(左上写真)と絵になる風日祈宮橋(右上写真)

石から生えたような大きな杉の木を発見!力強く生きていますね。この木は400歳だそうです。

小さな宇治橋のような「風日祈宮橋(かざひのみのみやばし)」を渡った先には、「風日祈宮(かざひのみのみや)」という別宮があります。

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風日祈宮橋の上から見た風景。秋は紅葉が美しいのでしょうね。

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風日祈宮

「風日祈宮(かざひのみのみや)」は外宮の風宮と同様、「神風」を吹かせた風雨の神様を祀る別宮です。ご祭神は、「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)」の御子神で、特に風雨を司る神、級長戸辺命(しなとべのみこと)・級長津彦命(しなつひこのみこと)。雨風は農作物に大きな影響を与えるので、神宮では古より正宮に準じて丁重にお祭りしているそうです。

お伊勢さん観光案内人からの豆知識その10

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もともとは「風神社」と呼ばれていましたが、鎌倉時代の蒙古襲来の際、ご神威によって猛風が起り、襲来した敵軍10万の兵を全滅させ、未曽有の国難をお救いになったことをきっかけに、正応6年(1293)3月20日、「風日祈宮」となったそうです。

ご祈祷のルールは正装?

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せっかくなのでご祈祷していただくことにしました。サインの示すまま、受付入口へ。

ご祈願受付窓口から申し込みします。

ご祈願受付窓口から申し込みします。

ご祈祷の申し込みは他の神社と同じく、希望のお祈りを一つだけ選びます。

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ラッキーなことに空いていました。多いときは1時間以上並んで、ご祈祷も1時間くらいかかると聞いていたので、帰りの電車に間に合うかと心配していました。そしてご祈祷していただくには黒い服と黒い靴、正装が望ましく平服だと断られる場合があると聞いていたので、この日は正装で挑みました。が、一緒にご祈祷していただく方々の中にはデニムやスニーカーといった軽装の人もいたのでびっくり。何より神様を敬い畏れる気持ちが大切ということでしょう。

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御神楽

ご祈祷には「御饌」と「御神楽」があります。「御饌」はおはらいの後、御神前に神饌をお供えし、お願いごとをします。「御神楽」は「御饌」に加えて、雅楽の調べと共に雅な舞を奉納するご祈祷です。一般的には「御饌」ですが、「御神楽」には4種類あってそれぞれ舞や舞楽が違い、料金も相応です。今回は御饌でしたが、いつかは御神楽を経験してみたいですね。

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ご祈祷が済み、お参りの最後にお守りと御朱印をいただきました。

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二見興玉神社で購入した私に御朱印帳に御朱印が!

私の愛らしい御朱印帳を伊勢神宮からスタートできたことはとてもうれしい!ここを封切りに、さて次はどこにお参りに行きましょうか?

伊勢に来たからには「松坂牛」は外せません!

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おはらい町通り

さてさて、ランチタイムです。再びやってきました「おはらい町通り」。ワクワクしますね、この通りに足を踏み入れると。今日の目的は「松坂牛」です。以前にテレビ番組で放映されていた「松坂牛ハンバーグ」を探します。

牛丼も気になりますが…。目移りして大変です。

牛丼も気になりますが…。目移りして大変です。

さぁ、目指すお店にやって来ました。「松阪牛専門店 松阪まるよし 伊勢おはらい町店」です。さっそくお目当の「松坂牛ハンバーグ定食」を注文します。

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松坂牛ハンバーグ定食

これです、これ!!ボリューミーでジューシー。お肉の味がしっかりして、とても美味しい!デミグラスソースは、たまに素材の味を飲み込んでしまうほど味が濃いのですが、素材自体の味がしっかりしていると対抗できます。これはそんな逸品。

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いたるところに牛が鎮座

誠に勝手ながら、松坂牛を食べたいけれど、別に牛は見なくてもいい私。こんなオブジェが店のいたるところに置いてありました。三重の自慢の牛さんですものね、牛さん、シェフ、ありがとうございました。

外宮、内宮と伊勢神宮を巡り、日々の感謝とたくさんお参りをしてきました。もう、何年も前から行きたかったところなので、感動はひとしお。またすぐにでも行きたい!さて次回Vol.5では、伊勢神宮外宮と内宮の真ん中辺りにある、みちひらきの神様「猿田彦神社(さるたひこじんじゃ)」をお参りします。「これから何かをスタートさせたい」「新しいことにチャレンジしたい」など、道を開きたい人は大変なご利益があるといわれています。偶然に結婚式にも遭遇しましたよ。どうぞ、お楽しみに!

参考サイト

https://www.isejingu.or.jp/
https://ise-guide.jp/
https://matsusakaushi.com/

この記事を書いたライター

Cooking Expert/Author

1961年2月4日生まれ、水瓶座O型。料理研究家。ハワイ、バリ、タヒチなどのアイランド料理研究家でもある。TV、ラジオなどメディアでの情報発信、ケータリングなど、食に関して幅広く活躍中。著書に『ハワイごはん』『湘南ごはん』『海ごはん』『ホノルル食堂』など。オフィシャルホームページ「ALOHA DELI

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