LA発信!ダイエット取り入れたいヴィーガンヨーグルト最前線

アメリカで数年前から注目されているプラントベースフード(植物性食品)。ヴィーガンだけでなく一般的にもプラントベースフードのフェイクミートやフェイクフィッシュなどはすでに定着していますが、なかでも最近プラントベースフード市場をリードしているのが、乳製品を含まない「デイリーフリー(Dairy Free)食品」です。ソイ、ココナッツ、カシュー、オート、アーモンドなどから作られた「ヴィーガンミルク」はもとより、最近ではこれらの植物性ミルクから作られた「ヴィーガンヨーグルト」が高い人気を集めています。今回は植物性と動物性ヨーグルトの違いから、カリフォルニアで販売されているヴィーガンヨーグルトの現地リポートまでお届けします。

どうして「デイリーフリー食品」が人気なの?

そもそもなぜ「デイリーフリー食品」が人気を博しているのでしょうか?  その理由には、「乳糖不耐症」に一旦がありそうです。

乳糖不耐症とは、牛乳に含まれる成分「乳糖」を消化酵素である「ラクターゼ」が少ないことで、消化したり分解したりできない状態のこと。牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするという方は少なくありません。中には、お腹の違和感だけでなく、下痢や、お腹の張り、吐き気など、深刻な症状に悩む方もいます。

実は、世界人口のなんと75%もの人がこの乳糖不耐症といわれています。内訳は、ヨーロッパでは5〜17%、アメリカでは44%、アフリカやアジア圏では60〜80%にまで上ります。これは、日本でも2人に1人以上が軽度の差はあっても乳糖不耐症ということを示しています。アメリカでは、日本以上に食文化として毎日の食生活に根ざしている「乳製品」。これらをより安心して取ることができるよう、さまざまなデイリーフリー食品が販売されているのです。

トレンドは「プロバイオティクス」

LA発信!ダイエット取り入れたいヴィーガンヨーグルト最前線

さまざまなデイリーフリー食品が販売されているアメリカで、NY(ニューヨーク)と並び、健康志向が高いといわれるLA(ロサンゼルス)。LAっ子に指示されている「エラワン・ナチュラル・フーズ・マーケット(Erewhon Natural Foods Market)」、「ホールフーズ・マーケット(Whole Foods Market)」「トレーダー・ジョーズ(Trader Joe’s)」「スプラウツ・ファーマーズ・マーケット(Sprouts Farmers Market)」などオーガニック製品が多く揃うスーパーマーケットでは、ヴィーガンヨーグルトのコーナーが近年拡大して、通りすがりに新商品をチェックするカスタマーで賑わっています。

特に最近では、「プロバイオティクス」がフードトレンドということもあり、ヨーグルト自体が大変注目されているのです。おさらいになりますが、プロバイオティクスとは、適正な量を摂取したときに体内で有効な効果をもたらす生きた微生物のこと。乳酸菌や納豆菌などが代表的ですが、一般的に牛乳から作られるヨーグルトには、乳酸菌の中では、ブルガリア菌やビフィズス菌、ケフィア菌など、生きたまま腸まで届いて、腸内環境を整える役割を果たします。

ヴィーガンヨーグルトは基本的には、プロバイオティクスは含まれていません。しかし、食物繊維など腸内の有効菌を促す「プレバイオティクス」が含まれているといわれています。またヴィーガンヨーグルトの中には、「プロバイオティクス」を入れて販売されている製品もあります。

「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」の違いについて簡単に説明しているこちらの記事もどうぞ!

動物性のヨーグルトと植物性のヨーグルトの違いは?

手軽に食べることができて、低カロリーでヘルシーなヨーグルトが高い支持を得ているのは納得ですが、ここで改めて、牛乳から作られる動物性のヨーグルトと植物性のヨーグルトの違いを確認してみましょう。

動物性ヨーグルトは、なんといっても動物性タンパク質が豊富であることが特徴。牛乳そのものよりも牛乳から作られたヨーグルトには吸収性の高いタンパク質が含まれているといわれています。また、カルシウムを多く含むことも利点の一つです。カルシウムは広く知られている通り、骨や歯の主要な構成成分になるばかりか、細胞の分裂や分化、筋肉の収縮、脳の神経細胞の働きをコントロールしたり、血液凝固作用を促進したりなど、さまざまな働きがあります。ホットミルクを飲むと、気持ちが落ち着くのも、牛乳に含まれるカルシウムに神経興奮を抑制する効果があるからなのです。

植物性ヨーグルトは、動物性に対して植物性タンパク質が豊富に含まれています。脂質が多くなりがちな動物性タンパク質と比較し、植物性タンパク質はカロリーが抑えられるため、量をしっかりと食べることができます。そのため満足感を得やすく、ダイエットには最適です。また、一般的に植物性タンパク質を含む食材には「水溶性ビタミン」を含んでいるものが多いため、消化機能の向上や脂質の代謝にも一役買い、エネルギーを効率よく活用することができるのです。

動物性、植物性の両タンパク質はいずれも一長一短ですが、両方とも同時にバランス良く取ることで効率的に良質なタンパク質を体内に吸収することができます。ダイエットに最適だからと植物性ヨーグルトだけを食べるなど、偏らずに食生活に取り入れるようにしましょう。

【動物性ヨーグルトと植物性ヨーグルトの違い】
◾️動物性のヨーグルト
・カルシウムを多く含む
・動物性タンパク質が豊富
・種類も豊富かつ安価で入手しやすい
◾️植物性のヨーグルト
・低カロリー(低糖質、コレストロールゼロ)
・植物性タンパク質が豊富
・国内ではまだ種類が限られ、やや割高

 

「プロバイオティクス」の詳細はこちらの記事をどうぞ!

LAっ子も大好き!ヴィーガンヨーグルト7選

それでは、実際にどんな製品がLAでは出回っているのでしょうか?ここでは7つの人気ブランドのヴィーガンヨーグルトをご紹介しましょう。

1) ジーティーズ(GT’s )

ピュア(写真左上)、カカオ(写真右上)

ピュア(写真左上)、カカオ(写真右上)

コンブチャで有名なメーカー「ジーティーズ(GT’s)」が発売しているのは、プロバイオティクスのココナッツヨーグルトの「ココヨ(COCOYO)」。細かく砕いたロー(生)ココナッツの果肉が入っているので、口に入れた瞬間にココナッツそのものの旨味が味わえます。プレーン味の「ピュア(PURE)」(写真左)は甘みがなく、マイルドでケフィアヨーグルトの味に似ています。「カカオ(CACAO)」はほんのり甘く、程よいカカオの味とローココナッツの果肉の粒々が同時に楽しめ、まるでカカオムースのようです。

2) チョバーニ(Chobani)

オート(写真左上)、ココナッツ(写真右上)

オート(写真左上)、ココナッツ(写真右上)

ギリシャヨーグルトで有名なメーカー「チョバーニ(Chobani)」がプロデュースするのは、全てナチュラルな食材から作られているノンデイリーヨーグルト。デイリーヨーグルトに負けずコクがあり美味しいと評判です。「オート(Oat)」はピーチとマンダリンの果肉が入ったトロピカルなテイスト。オート特有のとろみと優しい後味がクセになりそうです。「ココナッツ(Coconut)」は適度なとろみがありライトなココナッツのテイストが楽しめます。

3) ナンシーズ(Nancy’s )

ストロベリー&ハイビスカス(写真左上)、プレーン(写真右上)

ストロベリー&ハイビスカス(写真左上)、プレーン(写真右上)

60年の歴史を誇るメーカーの「ナンシーズ(Nancy’s )」。最近はオートミルクから作られたプロバイオティクスのヨーグルトが大人気です。グルテンをはじめソイ、ナッツが含まれていないのも特徴。「プレーン(Plain)」は甘みがなく、さっぱりした口当たりで、卵豆腐のようなテクスチャーは、口の中でとろけていくのを実感できます。「ストロベリー&ハイビスカス(Strawberry & Hibiscus)」も甘さ控えめながら、ストロベリーとハイビスカスの風味が豊かに広がります。

4) カイト・ヒル(Kite hill)

バニラ(写真左上)、ブルーベリー(写真右上)

バニラ(写真左上)、ブルーベリー(写真右上)

プラントベースの製品を展開している人気ブランドの一つ「カイト・ヒル(Kite hill)」。パッケージも斬新でスタイリッシュな印象です。昨今は、アーモンドミルクから作られたヨーグルトが特に注目を浴びているとか。「バニラ(Vanill)」はやや甘みがあり、まろやかなでクリーミーな口当たりです。ブルーベリー(Blueberry)」は、ほのかに感じられるブルーベリーのテイストが上品です。

5) フォレジャー(Forager)

ストロベリー(写真左上)、バニラビーン(写真右上)

ストロベリー(写真左上)、バニラビーン(写真右上)

こちらもプラントベースフードに特化したサスティナブルなメーカー「フォレジャー(Forager)」。最近はオーガニックのカシューミルクヨーグルトが売れ筋のようです。「バニラビーン(Vanilla Bean)」はとろみがあってクリーミー。ほんのり甘みが効いていてカシューミルクの後味がほんのりします。「ストロベリー(Strawberry)」もクリーミーなテクスチャーで口の中でほんのりストロベリーの味が広がります。甘さも控えめなのも安心です。

6) ソー・デリシャス(SO Delicious)

ストロベリー&バナナ(写真左)、バニラ(写真右上)

ストロベリー&バナナ(写真左)、バニラ(写真右上)

30年前からノンデイリーのフローズンデザートやヨーグルト、クリーミーなビバレッジを提供しているメーカー「ソー・デリシャス(SO Delicious)」。オーガニックココナッツからできたココナッツミルクヨーグルトが注目されています。「バニラ(Vanilla)」は、ふわっと柔らかくとろみがあって美味しい。「ストロベリー&バナナ(Strawberry &Banana)」は、ほのかに甘くストロベリーとバナナの自然なフレーバーとココナッツの絶妙なハーモニーが楽しめます。

7) トレダージョーズ(Trader Joe’s)

ストロベリー(写真左上)、バニラビーン(写真右上)

ストロベリー(写真左上)、バニラビーン(写真右上)

「トレーダー・ジョーズ(Trader Joe’s)」からもオリジナルブランドとしてヴィーガンヨーグルトが販売されています。特にオーガニックのカシューヨーグルトがおすすめ。「ストロベリー(Strawberry)」は優しいストロベリーの味と濃厚なテクスチャーが楽しめます。「バニラビーン(Vanilla bean)」は、口に入れた瞬間はやや濃厚なカシューミルクを感じられますが、次第に口の中でとろけていくやさしい味わいです。

バラエティも豊富に出揃う果実入りや飲むヨーグルトなど

さらに、ヴィーガンヨーグルトをベースにした果実ゼリーが入ったスイーツや飲むヨーグルトなど、バラエティーも豊富に販売されていますので、さらにご紹介していきましょう。

ヨープレイト(Yoplait) / Cococnut Dairy Alternative

LA発信!ダイエット取り入れたいヴィーガンヨーグルト最前線

動物性ヨーグルトでは有名な「ヨープレイト(Yoplait)」からも販売されているヴィーガンヨーグルトデザートは、「ココナッツ・デイリー・オルタネイティブ(Cococnut Dairy Alternative)」。ストロベリーやマンゴーなどの果実が丸ごと入ったゼリーとココナッツヨーグルトを混ぜるとムースのような食感になります。

カリフィア・ファームス(Califia Farms)

LA発信!ダイエット取り入れたいヴィーガンヨーグルト最前線

プラントベース製品を提供しているメーカー「カリフィア・ファームス(Califia Farms)」からは、「プロバイオティクスヨーグルト(Dairy Free Probiotic Yogurt)」が販売されています。こちらは、ヨーグルトドリンク。ブルーベリー味のライトなテクスチャーで飲みやすく、プロバイオティクスで免疫機能もサポートしてくれます。

自宅で作ろう!簡単ヴィーガンヨーグルトレシピ

LA発信!ダイエット取り入れたいヴィーガンヨーグルト最前線

今回は、ヨーグルトメーカーがなくても鍋を使って市販のヴィーガンヨーグルトを種菌として、自宅でも簡単に作ることのできるヴィーガンヨーグルトのレシピをご紹介します。今回はオートミルクを使用してみました。加熱しても大丈夫なタッパーやジャーなどの容器を用意して、ぜひ、試してみてくださいね。

<材料>

  • オートヨーグルト・・・50ml
  • オートミルク・・・500ml

<作り方>

容器を熱湯消毒しておく。

オートミルクを鍋で55℃になるまで温める。

オートヨーグルトを①に入れ、②を少しずつ加えながらよく混ぜる。

圧力鍋に密封した容器の③を入れ、1/4くらいまで水を入れて容器の底が浸かっているようにしてから、4時間ほど加熱し、発酵が完了して固まっていたら出来上がり。

美肌のためのヴィーガンヨーグルトの簡単デザート

LA発信!ダイエット取り入れたいヴィーガンヨーグルト最前線

ヴィーガンヨーグルトにベリーとチアシードを乗せたヘルシーなデザートはいかがですか?ビタミン豊富なブルーベリーとラズベリーに、タンパク質、ミネラル、食物繊維豊富なチアシード入りで、消化も良く美肌を導くレシピです。

<材料>

  • 手作りのヴィーガンヨーグルト・・・適量
  • ブルーベリー、ラズベリー・・・適量
  • チアシード・・・適量

<作り方>

チアシードは10倍量の水で戻しておく。

手作りヴィーガンヨーグルトの上にベリー類、チアシードをのせれば完成。

食の選択肢を増やす一役にヴィーガンヨーグルトを!

LAではますます種類が増えているヴィーガンヨーグルトは、ライトな口当たりとデイリーフリー、グルテンフリー、低カロリーなダイエットに最適な食品。元来、プレバイオティクスを含む食品でありながら、プロバイオティクスまで含まれた製品も市場に登場して、高い人気を誇っています。乳製品の摂取による「乳糖不耐症」が心配で、ヨーグルトが苦手な方には、代替食品としても広く受け入れられているのも納得です。プラントベースドフードを実践している方の間では「料理のアクセントにプラスしている」という声も多く聞きます。これから薄着になる季節に、ダイエットを考えている方には、すぐにでも取り入れたいヴィーガンヨーグルト。「動物性・植物性のタンパク質をバランス良く摂取することで効率的に良質なタンパク質を体内に吸収できる」を忘れずに、ヘルシーな選択肢の一つとして、上手に取り入れていきたいですね。

参照

https://www.healthline.com/nutrition/lactose-intolerance-101#TOC_TITLE_HDR_3
https://gtslivingfoods.com/our-offerings/non-dairy-coconut-yogurt/
https://sodeliciousdairyfree.com/about-us/
https://www.kite-hill.com
https://www.foragerproject.com
https://www.chobani.com/
https://www.traderjoes.com
https://nancysyogurt.com/
https://www.califiafarms.com/

この記事を書いたライター

Beauty Lifestyle Writer

東京でフリーランスの編集・ライターとして女性誌で執筆活動ののち、6年前に渡米。現在はビーグレンイッシュの他に、 LAを拠点にメンズファッション誌やライフスタイル誌、サーフィン誌などで執筆中。サーフィンで焼けてしまったダメージ肌をいたわるために、いつもレモンキューカンバー・ウォーターとココナツオイルを常備。ココナツオイルは食べて、肌にもつけて、さらに香りもいいのでフレグランス代わりにも利用しています!

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