日本人の心のふるさと「伊勢神宮」へ行こう!Vol.1お伊勢さんの正式参拝は「二見興玉神社」から

いつもなら年に数回、海外の美味しいものを食べまくっている私ですが、コロナ禍でスペイン・フランスバスクを最後に海外旅行はおあずけ。でも食への探求心は抑え込むことができません。「海外がダメなら国内の美食を知ろう!」ということで、以前より行きたかった伊勢へ行ってきました。

実は私、大の神社好き。箱根の九頭龍神社に毎月参拝に行っていましたが、昨年はそれもままならず。神様の元締めともいえる天照大神がいらっしゃる伊勢神宮へお伊勢参りをしました。どうせ行くなら正式に参拝したいと思い調べまくったところ、どうやらお伊勢さんへ行く前に二見浦海岸の「二見興玉神社」をお参りするのが古くからの習わしだそう。そこは有名な夫婦岩という大小の岩が海から顔を出し、その海底には霊石があるという、なんとも神秘的なところ。まずはその場所をお参りして穢れ(けがれ)を落とし、浄化した心身で伊勢神宮へ臨むことにしました。

車中を満喫。旅の始まりは、やっぱり駅弁から!

日本人の心のふるさと「伊勢神宮」へ行こう!Vol.1お伊勢さんの正式参拝は「二見興玉神社」から

3種のご飯モノに前菜や煮物、焼き物など盛りだくさんの幕の内弁当。

東京駅から新幹線で名古屋へ。名古屋からは快速「みえ」で「二見興玉神社」のある二見浦駅へ向かいます。車窓の旅といえば、やっぱり駅弁とビールですよね!東京駅でこれらをゲットし、新幹線に乗り込みました。東京から名古屋まで約1時間30分、意外と近いですね。早食い&早飲みな感じでした。

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名古屋から快速「みえ」という電車に乗り換えたのですが、快速という名前なのに、なんと2両しかありません。前より6席ほどが指定席になっていますが、自由席と全く同じ椅子。しかもガラガラ・・・指定席を設定する意味はあるのかしら?と思いつつ、電車は発車しました。

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この日は東北と西日本に大寒波が襲来し、大雪警報が出ていました。乗り換え地の名古屋近辺も雪が降る、との予想だったので心配していましたが、名古屋から二見浦に向かう途中うっすらと雪が積もっている程度。雪景色もちらほら見られました。関東人としてはシーズン初の雪景色です。

二見浦駅に到着

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近代的なデザインの二見浦駅。

名古屋から2時間ほどで目的地の二見浦駅に到着。なんとこの駅、無人なんです。伊勢神宮へ行く前に多くの観光客も訪れるかと思われる二見浦ですが、券売機も改札口もナシ。おまけにエレベーターもエスカレーターもないため、スーツケースを担いで階段を上り下りするという、まるでバスクを思い起こすシチュエーション。

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駅を出ると、フェスでもできるかのような広さがあるターミナル。とはいえ、バスが停留している気配もなく、タクシーも1台のみ。でも閑散としたターミナルの先には鳥居が鎮座する様子は、「あぁ、神様が近くにいらっしゃるんだな」と感じます。

今宵の宿は、素心の宿「大石屋」

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外観も立派な佇まい、素心の宿「大石屋」。

二見浦海岸をゆっくり散策するためには宿泊しようと、神社にほど近い旅館を予約しました。素心の宿「大石屋」です。

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昔ながらの「高級旅館」という老舗旅館の風格とリニューアルしたモダンな館内。客室内だけではなく。館内全てスリッパを履かずにはだし(靴下は履いていましたよ)で歩けるのが心地良いです。廊下もエレベーター内も全て畳という設えが素敵。

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大石屋は、全室オーシャンビューで目の前には青い海が広がっています。部屋は和洋ミックスで、畳の居間と窓際にベッドがあります。洒落たインテリアと清潔な室内は本当に快適です。

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さて、部屋で落ち着いたら、まずは恒例の?地ビールテイスティング。伊勢のクラフトビールは数種類ありますが、私は写真左のペールエールがお気に入り。フルーティーだけどコクと苦みが効いたアンバー調なお味です。お酒で身を内側から清めたら、そろそろ神社へ向かいます。

神聖な景色に鎮座する夫婦岩は、良縁祈願のパワースポット

旅館を出て2分ほどのところに神社の入口がありました。「二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)」は、みちひらきの神様といわれている「猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)」と「宇迦御魂大神(うがのみたまのおおかみ)」が主祭神です。

まずは、一つ目の鳥居をくぐり、奥へ進みます。

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海沿いの道にはいくつもの鳥居があり、海風は神聖で穢れを吹き飛ばすように感じます。

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あれ、カエル?見えますでしょうか?上の写真、左側の石の上にカエルがちょこんと座っています。

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そう、この神社にはいたるところにカエルの石像があります。カエルは猿田彦大神の使いといわれていて、「無事かえる」「失くした物がかえる」「若がえる」などの縁起をかついで、献納されたものだそうです。

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ついにやってきました、夫婦岩。二見興玉神社は縁結びや夫婦円満のご利益があるということで有名です。夫婦岩はその象徴ともいえる岩で、大小の岩が仲睦まじく寄り添っている姿をよく写真で見ていました。

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見事な夫婦岩です!「本物だー!」とテンションが上がります。

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手前には鳥居が設けられ、その奥に注連縄で結ばれた夫婦岩を見ることができます。注連縄はなんと約650年前にはすでに張られていたそうです。かわいらしい雰囲気の夫婦岩ですが、実は沖合700mの海中には猿田彦大御神の霊石があります。これはかなり巨大な石で、安政元年(1868年)12月23日、24日に発生した、安政の東海・南海地震で海底に沈んだそうです。この夫婦岩は、霊石と日の大神(太陽)を拝する鳥居としての役割も果たしています。

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二見興玉神社HPより。

新しく何かを始めようとするときや、道に迷ったときに導いてくれるのが猿田彦大神。私も今年は新しい事をスタートするので導いていただきたく、参拝しました。あと、良縁もね!ご利益ありそうです!

「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」がお隠れになった岩戸は実在した!!

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小さいころ、祖母がよく読んでくれた本があります。それは昭和36年に出版された『日本神話物語集』という本で、児童世界文学全集の一つ。「天と地のはじめ」から始まり、日本の神様の話が書いてあります。その本の中で一番のお気に入りだったのが「天岩戸(あまのいわと)」という話。弟神の「須左之男命(すさのおのみこと)」の悪行を嘆き、天照大御神は岩戸に閉じこもり、この世から光が消えた、という話です。

日本最古の歴史書『古事記』によると、日本の国を創造した神様・伊邪那岐神(イザナギノカミ)が禊(みそぎ)をして、左目を洗ったときに生まれたのが天照大御神です。生まれながらに貴い神であったので、伊邪那岐神に天上世界の「高天原(たかまがはら)」を治めよと命じられますが、天照大御神は神々の住む天上世界だけでなく、人々の住む地上世界も治めることになります。
そんなある日、弟にあたる須左之男命の乱暴な行動に嫌気がさし、天岩戸に隠れて戸を閉めてしまいました。すると世界が暗闇に包まれてしまったのです。困った神様たちは知恵の神様「思金神(オモイカネノカミ)」に相談し、天岩戸の前で祭りをして天照大御神の気を引こうと計画。そして鏡を用意しました。歌ったり踊ったり、大声で笑ったりと騒ぎを起こしていたら案の定、天照大御神が顔を覗かせました。そこで、すかさず鏡を置き、ご自分の姿を映して見せたところ、天照大御神は自分の代わりに他の神が現れ、皆が喜んでいると勘違い。「けしからん!」と岩戸からお出ましになったところを怪力の「天之手力男神(あめのたぢからおのかみ)」が引きずり出し、世界に光が戻ったそうです。

その鏡こそが三種の神器の「八咫鏡(やたのかがみ)」。古事記によると、「伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと)」という神によって造られたもの。天皇即位の礼で大きな役割を担うが、実物を見たことのある人はいないという、神の力を持つ伝説の鏡なのです。

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祠の奥には本当に岩戸がありました。この岩戸にお隠れになったことで世の中が真っ暗になったんですね。ああ、恐れ多いですが入ってみたい…。大好きな神話の舞台に来ることができて感無量。幼い頃から読み聞かされた『日本神話物語集』は、今でも私のバイブルです。

仕事、恋愛、良縁の神様にするお願いごととは…

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二見興玉神社の手水舎の奥にカエルが三匹並んでいます。話によると、このカエルさんたちに水をかけると願いが叶うのだとか…。もちろん、勢いよくかけました!

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二見興玉神社の拝殿です。こじんまりとした佇まいに海風が似合います。縁結びのお守りやおみくじがずらりと並ぶ中、「御朱印帳」を発見!「御朱印(ごしゅいん)」とは、神社や寺院で、参拝者に向けて押印される印章・印影のこと。通常は押印の他にも、参拝した日付、寺社名・御祭神・御本尊の名前などを墨書きしていただけます。コレクター魂を揺さぶる御朱印帳です。いままでコレには手を出していませんでした。なぜなら持ってしまったら、神社好きの私の暴走は確実だからです。

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一目惚れしてしまった御朱印帳。

しかし…、負けました、ついに始まってしまいました。だってこんなに素敵なんだもん!朝日を受ける夫婦岩の姿が描かれた御朱印帳は私の心を鷲掴み。これもご縁ですね、出会ってしまいました。最高の良縁に感謝し、ここから私の御朱印人生をスタートします。

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散策も参詣の楽しみ

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風の通り道なのでしょうか、もしくは神様の宴会場?絵馬がカラカラ音を立てて揺れているさまは、神様たちが踊ったり歌ったりしている宴のように聞こえます。

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お百度参りの石も発見!いつかはやってみたいと思います。

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こちらは「みそぎばし」。この橋を渡ってみそぎをしたそうです。橋を渡るとビーチに出ます。その海の水でみそいだのかな、と思い、手だけ付けてみそぎました。これではみそぎとしてはダメかな?

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良縁を祈願し、カエルさんにもたくさん水をかけてきました。段々と日も暮れてきました。そろそろ、宿に戻りましょうか。

お楽しみ!老舗旅館の宴

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さて、お楽しみの食事タイムです!旅館の食事といえば、冷菜、さしみ、焼き物、椀物、ごはんと汁もので構成される和食のコース料理。一つ一つ器にもこだわりがあり、見た目も麗しく食欲をそそります。

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海辺の土地ということもあり、海鮮は驚くほど新鮮です。おさしみが筆舌し難いほど美味しい!

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魚と野菜をカクテル風にアレンジしているのもオシャレ。

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伊勢に来たんだもの、やっぱり伊勢海老でしょう!こちらは他にイカや貝類、野菜を盛り合わせた「炙り焼きセット」。でも、伊勢海老はお造りで食べたいよね!ということで…。

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こうなりました。身はプリプリねっとりとした食感で新鮮そのもの。甘みがあって噛めば噛むほど旨味が口いっぱいに広がります。ただ、伊勢海老がまだ動いていたことが気の毒で少々気になりましたけれど…。

早起きすれば、ご来光&美味しい朝食のご褒美が

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翌朝、日の出を見ようと早起きして海に行きました。

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夏至の日には、この夫婦岩の真ん中からご来光が見られるそうです。

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でも、冬もいいですね。冬至の日には、この夫婦岩の真ん中から月が上がるそうです。太陽と月、どちらも神々しい景色でしょうね。どの季節に行ってもそのときならではの美しさを堪能できます。

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冷たい海風に吹かれて身の引き締まる思いがしました。海岸から帰ってきたら、豪華な朝食が用意されていました。小鉢に入ったおかずが数種類と海苔に漬物、これこそ旅館の醍醐味!

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そして昨夜の伊勢海老が味噌汁に!!出汁が出ていて激ウマ、絶品です。

粋な空間を演出した落ち着けるお部屋にゴージャスなお食事。そしてなんといっても心のこもったホスピタリティー溢れるおもてなし。二見浦にお出かけの際にはぜひ、素心の宿「大石屋」さんへ行ってみてください。自信を持っておすすめします!

東京から約3時間半で到着した二見浦海岸の二見興玉神社で心と体の浄化を済まし、いよいよ「伊勢神宮」へ向かいます。伊勢神宮での正式参拝は「外宮」から「内宮」。では外宮へまいりましょうか!…ということで、伊勢では参拝だけではなく、「食べたいものランキング」も制覇しないといけないので、やることが満載です。次回は外宮で、衣食住の神様「豊受大御神」参拝へのを旅を紹介します。

参照
二見興玉神社:https://futamiokitamajinja.or.jp
素心の宿「大石屋」:https://www.oishiya.co.jp

この記事を書いたライター

Cooking Expert/Author

1961年2月4日生まれ、水瓶座O型。料理研究家。ハワイ、バリ、タヒチなどのアイランド料理研究家でもある。TV、ラジオなどメディアでの情報発信、ケータリングなど、食に関して幅広く活躍中。著書に『ハワイごはん』『湘南ごはん』『海ごはん』『ホノルル食堂』など。オフィシャルホームページ「ALOHA DELI

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