「階段」筋トレ!アスリートの体を支える階段で引き締まった体づくり

長かったコロナ禍。対策は続けつつも、外出へのためらいはだいぶ和らいでいるのが今の日本の状況といえそうです。通勤通学の時間帯は駅も混雑し、エレベーターに乗るために列ができる光景が戻ってきました。でも階段を使っている人はまばら。ついつい「ラク」な方を選んでしまいがちですが、「エスカレーター歩行禁止」の呼びかけに耳を傾けながら、階段を使う日を増やしてみませんか。ジムへ通わなくても毎日の運動量をグッと底上げすることができる「階段」筋トレについてご紹介します。

 

階段の上り下りはエネルギーを消費する運動

まず、この1週間の行動を振り返ってみてください。駅、オフィス、自宅マンション、デパート、ファッションビルなど、外出先で階段はどれくらい利用しましたか。1週間どころか、月単位、なかには年単位で「使うのは自宅の階段くらい」という人もいるかもしれませんが、日常生活で階段を使うことを意識すると運動量を増やすことができます。

一般的な階段の場合、上りは1段の消費カロリーは0.1kcal、下りは0.05kcal程度と言われています。「それだけ?」と思うかもしれませんが、1日に300段程上ればそれだけで30kcalの消費です。30kcalは体重50kgの人の20分ウォーキングに相当します。

ちなみにウォーキングの消費カロリーを計算するときは
体重(kg)×2×時間という式が使われます。
50kg×2×0.33(20分)=33kcal

身長、体重、年齢、性別、段数をインプットすると、階段による消費カロリーを計算できるアプリもあります。

参考までに「スタイルミー」というアプリを使用し「160cm・50kg・40歳・女性・300段」を入力して、「計算する」をクリック。導き出されたのは上りなら35.028kcal、下りなら13.136kalのエネルギー消費。ちなみに500段なら上り58.38kal、下り29.893kcalです。ぼーっとエレベーターに乗っているだけでは、こうはいきません。アプリを使って活動量を“見える化”するのはとても効果的だと思います。

階段は便利な筋トレツール

「階段」筋トレ!アスリートの体を支える階段で引き締まった体づくり

わざわざ時間をつくらなくても、行く先々で階段を選ぶだけでカロリーが消費できる階段。ここからが本題ですが、日本体育大学の階段には「この一歩が世界に通じる」などのキャッチコピーが連なっているそうです。アスリートの体づくりにも階段が大いに役に立っているのが見て取れます。

階段の上り下りが筋トレに効果的とされる理由。それは階段を上ったり下ったりしているときは、片脚立ちで全体重を支える瞬間があるからです。通常は両脚で体重を支えているので、このとき負荷は一気に2倍になります。片脚で姿勢を完璧に保とうとするだけでも、尻&脚といった下半身を強化する自重の筋トレになるというわけです。どんな効果があるのか具体的に見ていきましょう。

階段を上るほど、ヒップも上がる

バリアフリー化の浸透によって、わずか10段でもエスカレーターやエレベーター化が進む現代。社会としてはとても良いことですが、今足腰に問題がない人にとって階段は筋トレツール。上りと下りでは、鍛えられる筋肉が異なりますが、上りの効果はなんといっても美尻です。

ちなみに上るときに使われるのは「中臀筋」と「大臀筋」と、太もも後ろの「ハムストリングス」。下りは「中臀筋」と太もも前側の「大腿四頭筋」が鍛えられます。エレベーターに並ぶのは、運動の機会を逸している状態。スニーカーやフラットシューズの日は喜んで階段を使ってみませんか。なかでも上りでも下りでも鍛えられる「中臀筋」は上向きヒップの要。片脚立ちになった時に反対側の骨盤が落ち込まないように保つ働きもあります。「大臀筋」はヒップ全体のボリュームと美しいラインに必要な筋肉です。

階段上りのセーフティウォーキングとは?

股関節を伸ばすように意識すると効果的です。

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筋トレ効果が高いのは上りより下り

階段の上り下り、上りのほうが断然きついイメージがありますが、筋トレ効果が高いのは実は下りです。山登りに行って、上りより下りがきつかった経験がある人はわかるのではないでしょうか。翌日の筋肉痛は、下山が原因な場合がけっこうあります。下るという動作は着地の衝撃で筋肉に微細な損傷を起こしやすいからです。そして微細な損傷が修復されることで、筋肉はより強固なものになります。

ただし、よく見かけるつま先ステップで「トトトト」と素早く下りる動き。これは全然筋トレにはなりません。筋肉にしっかりと負荷がかからないばかりか、膝など特定の関節に負荷が集中しかねないからです。

筋肉がつくメカニズムをおさらい

ここで改めて、筋肉がつくメカニズムについておさらいしてみましょう。トレーニングによって筋肉が損傷します。これにより起こるのが筋肉痛です。損傷した筋肉の修復には休息とタンパク質などの栄養補給が重要です。休息と栄養補給により、損傷した筋肉が修復されるとともに、筋肉の繊維が太くなるのです。

【筋肉がつくメカニズム】

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階段下りのセーフティウォーキングとは?

ゆっくりとした動きでかかとから着地します。

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また、階段下りは足の指、かかと、すね、太もも、さらには背骨まで着地のときに生まれる衝撃が伝わり、その衝撃に耐えるために骨密度が高まるといわれています。ただし脚を下ろすときに、つま先が外を向いたり、ひざが開いてしまったり、体が傾いたりするのはNG。骨が受ける衝撃が逃げてしまうからです。

初めは4アップ・ 3ダウンから

「階段」筋トレ!アスリートの体を支える階段で引き締まった体づくり

「ちょっと階段を使ってみようかな」という気持ちはわいてきましたか。わいてこない人も奮起して(笑)「4アップ・3ダウン」から始めてみませんか。4階までなら階段で上がり、3階以内なら階段で下るというルールです。そして慣れたら「5アップ・4ダウン」「6アップ・5ダウン」と徐々にステップアップしていきましょう。毎日が無理なら、「月・水・金だけ」「行きの通勤だけ」など、自分なりのルールを決めるのもありです。初めは上りだけにして、筋力がついてから下りも取り入れるのもいいですね。

ただし膝に痛みがある場合はおすすめしません。痛みを我慢して無理に階段を上り下りすることで、かえって軟骨がすり減ってしまうこともあるからです。

「第2の心臓」ふくらはぎも鍛えられる

普段歩くときよりも足の動きが大きくなる階段の上り下り。日常に取り入れるメリットはスタイルアップだけではありません。お尻と脚の筋肉は全身のなかで占める割合が高いので、それらをしっかり動かすことで心肺機能の強化にもつながります。

また、ふくらはぎの筋肉も鍛えることができます。ふくらはぎは「第2の心臓」と呼ばれていて、ここが鍛えられると血流がよくなります。下半身に流れた血液を重力に逆らって心臓まで送り戻すポンプの役割をしているのが、ふくらはぎだからです。血流がよくなれば、足のむくみや冷え性の改善も期待できます。「立ち仕事でただでさえ疲れるのに、階段を使うなんて無理!」という方もいるかもしれませんが、筋トレは不調を防いで活力を生みます。階段の利用で血流が良くなり、1フロア上るだけで「ゼェゼェ」していた人が、続けることで3フロアくらいは軽々と動けるようになり、疲れ方も違ってくるはずです。

単なる上り下りだけでは物足りなくなったら

最後に、階段筋トレをより強化する方法をお伝えします。女性は駅やオフィスの階段での実行は難しいかもしれませんが、自宅近くの公園の大階段やマンションの外階段などできる場所はあるはずです。①と③は自宅の階段でもできます。

① あえてゆっくり上り下り

通常、スクワットはゆっくりと腰を上げ下ろしするのが一般的です。ゆっくり腰を上げ下げしたほうが筋肉にかかる負荷は大きくなります。階段の上り下りも勢いをつけて素早く動くより、ゆっくりと動くほうがお尻や脚の筋肉への刺激になります。

② 1段飛ばしで上る

大人の女性が人前で行うのは憚られますが、1段の高さが倍になることで、より大きな負荷をかけることができるのは確か。心肺機能も高められますが、2段で1段分なのでカロリー消費は減ります。

③ つま先立ちで上下運動

「階段」筋トレ!アスリートの体を支える階段で引き締まった体づくり

階段の先端部分でつま先立ちをし、ふくらはぎの裏側を意識しながら、かかとを上下させます。見た目以上にハードなトレーニングです。必ず手すりにつかまって行いましょう。

階段を見たら、迷わず活用!

いかがでしたか?ジムに行って着替える必要もなく、エクササイズのようにセット数や順番を気にする必要もなく、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を選ぶ、ただそれだけ。今の季節は、暑い夏のように汗だくになることもなく、むしろ体も温まります。階段が目に入ったら、コツコツ続けているうちに、歩く速度も増し増しになりますよ。無理のないレベルで自分にあった階段生活を始めてみましょう。確実に良い結果を生むポイントは、休む日があっても、決して止めないこと。無意識に階段を選んでいるようであれば、自ずと成果が現れます。「継続は力なり」なのですから。

参照

http://style-me.sakura.ne.jp/activekaidan/index.php

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