「美食の街・フランスのバスクに行こうよ!」第14回:やっぱり「パリ」

毎日、食べ過ぎるほど食べても飽きない、美味しいものをたっぷりとご紹介してきた『バスクへ行こうよ!』シリーズも、最終章に入りました。『やっぱり「パリ」は美味しかったVol.3』『Vol.4』として、スペインとフランスのバスクを巡る旅の最後を飾る、パリでの数日をお届けします。残り僅かな食い倒れの数日とはいえ、パリでは『第3回:バル巡り編(サン・セバスティアン)』のような「はしご酒」ができなかったので、私としては不甲斐ないのですが、アルコール控えめ?なパリ食べ歩き観光をしました。

セーヌ川をクルーズしたのは、驚きのパリ事情から

渋滞を避けるセーヌ川のクルーズはおすすめ。

渋滞を避けるセーヌ川のクルーズはおすすめ。

『やっぱり「パリ」は美味しかったVol.4』にて、改めてご紹介しますが、私の弟分でもある元プロボクサーのAKIは、現在世界をまたにかけるビジネスマン。彼との出会いは10年以上前にさかのぼります。彼は、20歳でボクシングの試合で大怪我をしてちょうど引退した頃。年齢に似合わず、とてもジェントルマンで、よく一緒に夜遊びをしたものです。そんなAKIはミャンマーからタイ、そしてパリに移って、パリジェンヌと結婚。現在はベルギーに住んでいます。

今回が初めてのパリだったので、彼と連絡を取って情報を集めました。電車の乗り方や歩き方、そして注意しないといけないことなどなど。「スリが多いから気をつけろ」は潜在意識に刷り込まれるほど聞かされましたが、その中に「セーヌ川のほとりは臭い」という首をかしげるような内容が!

どこかで耳にはしていましたが、現地に行ってみて、納得しました。それは、公共のトイレがないということ!公衆トイレどころか、百貨店にもありません。どうしても我慢できなくなったら、カフェやレストランに入って何か注文してトイレを使わせてもらうか、有料トイレ(2〜5ユーロ)に入るかしかありません。それも難しい場合はどうするのでしょうか?なんと、セーヌ川の歩道で用を足すそうです。だから、辺りは臭うのだとか。これは、前述した私の弟分のAKIだけではなく、『第11回:日本人にも大人気「モンサンミッシェル」後編』で登場したパリの日本人ガイドさんも言っていました。というワケで、今回は歩くのは中止して、セーヌ川のクルーズをすることにしました。

セーヌ川をクルーズ(左上画像)中、ノートルダム大聖堂(右上画像)も見えます。

セーヌ川をクルーズ(左上画像)中、ノートルダム大聖堂(右上画像)も見えます。

パリは道も大渋滞していて、バスもまったく動かなかったので、船にして正解!船からの観光もなかなかオツなものです。

修復途中のノートルダム大聖堂も通り過ぎます。道路からだと見ることができませんが、船からだと様子が伺えます。そこにはローズラインのスタート地点があるそうです。

モナリザと数十年ぶりに再会、変わらぬほほ笑みでした

美術館(左上画像)に入って中央の上り階段の正面に、有名な顔のない天使(右上画像)が出迎えてくれます。

美術館(左上画像)に入って中央の上り階段の正面に、有名な顔のない天使(右上画像)が出迎えてくれます。

パリ観光の王道といえば、やはりルーブル美術館。美術館好きの私が、パリで一番行きたかった場所。しかし、これがまた期待外れ。私が一番見たかったルネッサンス、バロックのコーナーが、なんと工事中で、何もも見ることができませんでした。がっかり。

ルーブルの看板娘「モナリザ」に会いに行きました。

もちろん長蛇の列でなかなかたどり着きません。しかし、海外の美術館で素晴らしいことは、写真が撮り放題というところ。多くの人がモナリザと自分のツーショットを撮影していましたが、私はモナリザさんとアイコンタクトを取り、彼女のみ写真に収めました。

実物は意外にも小ぶりな「モナリザ」

実物は意外にも小ぶりな「モナリザ」

振り返ってみると、モナリザに初めて会ったのは小学生のとき。上野の美術館で2時間以上並んで見たことを覚えています。そのときに感じたことは「なんて小さいの??」でした。もっと、壁画みたいな大きさをイメージしていたのでしょうか。数十年ぶりに再会したモナリザは、あのときと同じ、やっぱり小さかった!

私的には、NYのメトロポリタン美術館の方が1000倍楽しかったかな…。今回は目当てだったコーナーが工事中だっため、1時間程の美術館見学となりました。

美味しいものを求めて街を散策、パリは小道が楽しい!

そろそろ観光にも飽きたので、小道を散策。やはりブラブラと散策をして出会う味は、冒険がいっぱいで楽しい!美味しいと舌鼓を打ったり、期待はずれで肩を落としたり。どちらにしても旅の良い思い出になることは間違いありません!

ヌテラのたっぷりの甘いクレープ

まずはクレープ屋さんを発見!レモンシュガーやリンゴ、カスタードなど、フランスらしい食材のクレープが多い中、なぜかどこの店にもある「ヌテラ」の文字。

小道のクレープ屋さん(左上画像)のヌテラクレープ(右上画像)

小道のクレープ屋さん(左上画像)のヌテラクレープ(右上画像)

ヌテラとは、日本ではそれほど知られてはいないかもしれませんが、世界中で愛されるヘーゼルナッツのペーストのこと。

イタリア発祥らしく、誕生は1946年にまでさかのぼり、戦後のココア貴重であった時代にヘーゼルナッツと砂糖に僅かなココアを混ぜた甘いペーストを作って、ココア不足を補ったのがきっかけとされています。その後世界中で愛されるスプレッドに成長したヌテラは2005年には「最も世界で愛されている朝ごはん」としてギネス最高記録にまで選ばれたそうです。

さっそく、私も日本では珍しいヌテラ&バナナを注文しました。ヌテラがたっぷり入っていて、とにかく甘い!私には甘い印象しか残らなかったのですが、確かに子どもにはこの甘さがたまらないのかもしれません。

ギリシャ料理の店はフォトジェニック

店構えが可愛らしいギリシャ料理の店

店構えが可愛らしいギリシャ料理の店

ギリシャ料理の店も発見。店構えがヨーロッパらしく愛らしいです。小道も絵になるのがパリです。旅ではその土地らしさを感じさせるものは何であれ撮影しておくのがおすすめ。後からその場所に戻って写真を撮ることは難しいですが、後から見て写真を削除することは簡単にできます。だからこそ、ためらわず何でもシャッターを押しましょう。

お土産には眺めて楽しい本も候補に!

写真たっぷりの料理本コーナーを発見!

写真たっぷりの料理本コーナーを発見!

本屋さんで眺めて楽しい本を発見しました。私は、料理研究家という職業柄、料理の本につい目が止まります。レシピの本はもちろん、盛り付け方やテーブルセッティングも参考にもなります。言葉が分からなくても、眺めて楽しめる絵本や写真集、作品集などは、お土産にもとても喜ばれます。

印象的な装丁の中身は紙面いっぱいの迫力のケーキの写真!

印象的な装丁の中身は紙面いっぱいの迫力のケーキの写真!

海外旅行で書店は重要なチェックスポットです。自分自身へのお土産にもその土地の写真集なども良いですね。下のインスタグラム画像はパリでは有名な「シェイクスピア・アンド・カンパニー書店」です。

「シェイクスピア・アンド・カンパニー書店」は、パリ5区、セーヌ川左岸に50年代からある老舗。パリで一番人気の本屋さんとして愛され続けているこの書店は、なんと無名で貧しい若い作家に宿を貸すことで知られ、「タンブル・ウィード」の愛称で呼ばれているそうです。若い才能を大切に育てる芸術の街、パリならではの書店といえそうです。

カフェオレとクロワッサンはパリの朝食

カフェオレにクロワッサン(左上画像)、さらに追加注文でオムレツ(右上画像)も。

カフェオレにクロワッサン(左上画像)、さらに追加注文でオムレツ(右上画像)も。

ホテルの近くのカフェで朝食。クロワッサンとチョコの入ったデニッシュ、そして香りの良いカプチーノと定番の朝メニューを注文しました。さらにプレーンのオムレツとルッコラのサラダも追加。これでかなりお腹いっぱいです。

ランチはケバブサンド。スナックはフォーと多国籍なパリならでは

このポテトの盛り方、どうでしょう・・・?

このポテトの盛り方、どうでしょう・・・?

お腹いっぱいなのにランチは「ケバブサンド」を注文しました。スパイスが効いて美味しかったです。ポテトの量に驚きます。

ケバブは、中東やその近辺で広く食べられている肉・魚・野菜などをローストして調理する料理のこと。スナックのように手軽にたべられるのですが、かなりのズッシリとお腹に溜まります。

こってり系のフォーはたっぷりのパクチーで。

こってり系のフォーはたっぷりのパクチーで。

「小腹がすいたら汁物」と思ってしまうのはアジア人ならではということで、続いて、ベトナムレストランで「フォー」も頂きました。フォーは、一般的にさっぱりしているものですが、こちらはニンニクがきつめでこってり系でした。

次回はスペインとフランスのバスクを巡る旅の最終回

いよいよ、次回『やっぱり「パリ」は美味しかったVol.4』は、スペインとフランスのバスクを巡る旅の最終回です。冒頭でもお伝えした私の弟分でもある、現在はベルギー在住の元プロボクサーと再会して、教会のコンサートや危険な区域のイベントにまで潜入してきました。帰国のフライトのギリギリまで「美味しい!」を求めて過ごした旅の記録をお届けします。どうぞお楽しみに!

【バスク旅行記】
『“美食の街・スペインのバスクに行こうよ!”第1回:旅路編
第2回:ビルバオ紀行編
第3回:バル巡り編(サン・セバスティアン)
第4回:爆走バスで行くゲタリア・美術館編
第5回:ゲタリア・世界一のアンチョビとレストラン編
第6回:シドレリアの「チョッツ!」チャレンジ編
第7回:スーパー巡りと「トルティージャ」朝食レシピ編
『「美食の街・フランスのバスクに行こうよ!」第8回:大人可愛い「サン・ジャン・ド・リュズ」編
第9回:バスクの中心街「バイヨンヌ」編
第10回:日本人にも大人気「モンサンミッシェル」前編
第11回:日本人にも大人気「モンサンミッシェル」後編
第12回:やっぱり「パリ」は美味しかったVol.1
第13回:やっぱり「パリ」は美味しかったVol.2

この記事を書いたライター

Cooking Expert/Author

1961年2月4日生まれ、水瓶座O型。料理研究家。ハワイ、バリ、タヒチなどのアイランド料理研究家でもある。TV、ラジオなどメディアでの情報発信、ケータリングなど、食に関して幅広く活躍中。著書に『ハワイごはん』『湘南ごはん』『海ごはん』『ホノルル食堂』など。オフィシャルホームページ「ALOHA DELI

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