「美食の街・フランスのバスクに行こうよ!」第11回:日本人にも大人気「モンサンミッシェル」後編

“一生に一度は行っておきたい世界遺産ランキング”でいつも上位に入る「モンサンミッシェル」。日本人にも馴染みの深い観光地を旅する前編に引き続き後編もさらに、この世界遺産の魅力をお伝えしていきます。

雨の洗礼を受けて馬車でGO!

絵になる馬車です。記念撮影をぜひ!

絵になる馬車です。記念撮影をぜひ!

「レンヌ」からバスで行き着いた「モンサンミッシェル」ですが、到着が夕方であったため聖堂を見学することができなかったのは前回に記事前編にてお知らせしました。晴天の日は稀であると聞いていた通り、翌日はやっぱり雨でした。

「それならば馬車でしょう」ということで、「レンヌ」からバスが到着した辺りの馬車乗り場まで行き、さっそく乗り込みました。無料のシャトルバスもあるため、有料(8€)の馬車は空いています。

馬車から眺める「モンサンミッシェル」は幻想的。

馬車から眺める「モンサンミッシェル」は幻想的。

定員は10人ほど。私の他にも、アメリカから来た老夫婦と若者3人くらいでゆったり、馬車の動きもゆっくりです。馬とはいえ、お客様を乗せて競馬のように走るわけにはいきませので、のんびりと存分に景色も楽しめます。馬の背中越しに見える「モンサンミッシェル」はとても幻想的。昔、自動車がない時代はこんな風に馬車に乗って渡っていたのかなと思いにも浸れました。

さまざまな顔を持つ「モンサンミッシェル」

島に到着し、その入り口から修道院の入り口まで坂道を20分ほど、急な階段も登り、ハアハア息切れしながら向かいます。修道院の中も坂道&階段ばかりで、歴史的建造物のアスレチックみたいですが、なんとか到着。

島の全体像は、聖堂を中心にまるで小高い山のようになっています。上記の画像では全体像がお分かりいただけるのではないでしょうか?まるでジオラマのようです。

水に浮かぶその姿は幻想的です。晴天の日は珍しいといわれているので、訪れた際に晴天なら幸運!でも、雨であるものと想定しておけば、意気消沈することもありませんし、準備もできそうです。折りたたみ傘を持って行くと良いですね。

周りを見渡せる場所にはカモメちゃんもいました。ボンジュール!

周りを見渡せる場所にはカモメちゃんもいました。ボンジュール!

さまざま表情を見せる別の角度からは、また異なる顔を見せてくれます。放牧されている陸地を見ると、牧歌的な雰囲気もあり、時間がゆっくり流れるよう。

かなり高い!天気だったらとキレイだっただろうな。

かなり高い!天気だったらとキレイだっただろうな。

聖堂まで来て、下を見下ろすと、かなり高いところに位置しているのが分かります。さて、どんどん中に進んで行きましょう。

戦時下に使用された大砲(左上写真)、歴史を感じさせる聖堂(右上写真)。

戦時下に使用された大砲(左上写真)、歴史を感じさせる聖堂(右上写真)。

14世紀には要塞として利用されていた「モンサンミッシェル」。戦争時代に使われていた大砲もそのままありました。

聖堂は長い年月に渡り、増改築が繰り返されたので、ゴシック、ルネッサンス、ロマネスク様式などの建築様式が組み合わさった建物は魅力的であり、圧巻です。

ところどころ見かけるステンドグラスや大天使ミカエルの像など、神聖な雰囲気が漂う一方、戦争の傷跡や牢獄の後など、さまざまな顔を持つモンサンミッシェル。歴史を知った上で見学すると、より心に残る世界遺産になること間違いありません!

「モンサンミッシェル」はどうして日本人に人気があるの?

さて、どうして「モンサンミッシェル」はこれほどまでに日本人に人気があるのでしょうか?こちらの記事の一番目の写真にも小さく写っている、日本人には見覚えのあるものが、お分かりいただけますか?

「モンサンミッシェル」は、さまざまな表情を見せる美しい場所であることはもちろんのこと、日本人には馴染み深いある所と共通する特徴があるのです。それは、我が国が誇る世界遺産、広島県にある「宮島・嚴島(いつくしま)神社」です。

「モンサンミッシェル」も「宮島」も海に浮かぶ小さな島の世界遺産であること、千年以上の歴史を誇る宗教的な聖地であること。また、どちらも日本やフランスを代表する世界的な観光地でもありますよね。実は、それぞれの市は2009年に観光友好都市の提携をしています。いわゆる姉妹都市です。私たちが昔から大切にしてきた歴史的、文化的な聖地と同じように、「モンサンミッシェル」に深く通じる魅力を感じるのは、日本人としてとても自然なことといえそうですよね。

「モンサンミッシェル」の名物、ムール貝を食べる

「どこに行っても目的はその土地のものを食べること」、これは料理研究家の私の旅のモットーです。「モンサンミッシェル」で一番有名なのは、ふわふわのオムレツですが、私が目指すのはムール貝。さて、どこが美味しいのでしょうか、街を散策します。

「美食の街・フランスのバスクに行こうよ!」第10回:日本人にも大人気「モンサンミッシェル」前編

細い路地にレストランを発見。でも、残念ながらここにはムール貝はありませんでした。そこで細い路地より30cmほど広い大通りを歩いていたら、非常に混んでいるレストランを発見!店内を見ると、ムール貝を食べているではないですか!

さっそくお店に入り、メニューを見るとムニュ(定食)にムール貝があることを確認しました。もちろん、注文します!

「美食の街・フランスのバスクに行こうよ!」第10回:日本人にも大人気「モンサンミッシェル」前編

貝は小ぶりだけど味は濃厚で美味しい!ムールの汁にポテトを付けて食べるのがフランス流のよう。これだけでもお腹いっぱいになるのですが、ここまできたらデザートも必須です。

「美食の街・フランスのバスクに行こうよ!」第10回:日本人にも大人気「モンサンミッシェル」前編

人気があるとお店の方がおすすめしてくれたアップルタルトを頂きました。キャラメルソースがかかっていて甘かったのですが、リンゴの酸味とカスタードのマイルドさがマッチして、ペロッと食べてしまいました。

大天使ミカエルに出会う。世界中に出会いがあることに感謝!

というワケで、行きたかった「モンサンミッシェル」もクリアし、ムール貝も食べました。あとはパリに向かうだけ。さて、どうやって行くの?

時刻は夕方5時。電車もバスも、もうありません。どうしましょう?ホテルをチェックアウトし、ホテルマンに交通を調べてもらいながら途方に暮れ、もう一泊するしかないかしら…と思っていたところ、突然一人の男性が目の前に現れて「どうなさったの?」と日本語で話しかけられました。

「いや、どうやってパリに行こうかと思って」と話したところ、「あら、アタシのバスに乗ってく?と言っても、アタシのものじゃないけど。観光バスでこれからパリに帰るの」と。

なんて幸運なのでしょう!その方は、パリの日本人ガイドさん。日帰りのツアーの帰りでした。バス代を支払い、観光バスに乗せていただきました。「モンサンミッシェル」から「パリ」まで約5時間。帰りのバス内では、「アタシはパリでオカマのガイドといえば有名なのよ!」と面白いトークで、あっという間にパリのオペラ座前に到着。まさに、彼?彼女?は、大天使ミカエルです。お礼と別れを告げ、さあ、これからはパリを満喫します!

「パリ」から「モンサンミッシェル」へはツアーも便利!

「パリ」から「モンサンミッシェル」ツアーは、日帰りや1泊2日など、たくさんあるようなので、利用するのも便利です。バスクからは乗り物に乗っている時間が長いので「ちょっと大変かも」というのが私の感想。まあ、「冒険野郎」には楽しい旅でしたけどね。

さて、次回は「バスク」から「モンサンミッシェル」そして「パリ」へと舞台を移します。パリでは大人の妖艶な世界「ムーランルージュ」を封切りに、食べ切れるわけがない250gのタルタルステーキに挑戦など、相変わらずの無謀な冒険をします。決して真似しない方が良いことも満載かも…と暴飲暴食の暴険家、藤沢セリカがまたお届けします。どうぞお楽しみに!

この記事を書いたライター

Cooking Expert/Author

1961年2月4日生まれ、水瓶座O型。料理研究家。ハワイ、バリ、タヒチなどのアイランド料理研究家でもある。TV、ラジオなどメディアでの情報発信、ケータリングなど、食に関して幅広く活躍中。著書に『ハワイごはん』『湘南ごはん』『海ごはん』『ホノルル食堂』など。オフィシャルホームページ「ALOHA DELI

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