脱・肌悩みシリーズ(8) 「くすみ」を寄せつけない肌へ
読者からの質問の手紙

美子がスキンケアスペシャリストのグレン先生とともに、皆様からの肌悩みへのご質問に回答するシリーズ『脱・肌悩み』。「写真を撮る時はいつも美肌モードに頼ってしまいます。透明感のある肌になることは可能ですか?」と読者の方から質問をいただきました。第8回目は肌をどんより曇らせる「くすみ」に焦点を当てます。くすみはまさにエイジングのサイン。肌の透明感を取り戻して、くすみを寄せつけない肌を目指しましょう。

肌のトーンを暗くする「くすみ」と「シミ」は別もの

グレン先生

今回は「くすみ」をテーマに進めていきましょう。美子さんは20代の頃と今36歳の肌のトーンに変化を感じていますか。

美子

うーん、20代の頃は肌にもっと透明感があったような気がします。先日、後輩に「なんか顔色悪くて疲れているみたいですけれど、大丈夫ですか?」って労られてしまいました。実際には疲れているどころか、毎日忙しく飛び回っていて、体力も有り余っていたのですけれど...。

グレン先生

あら、あら。「疲れているみたい」と言われてしまうと実際に疲れていなくても、どっと疲れが出てしまいそうですね。でも、後輩の方にそう見えたのも事実と受け止めなくてはいけないかも...。厳密には顔色というよりも、肌のくすみがそのような印象を与えてしまったでは?

美子

確かに、肌がくすんでいると顔色も悪く見えるし、疲れても見えますよね。シミがあっても「疲れている」とは言われませんから。

グレン先生

シミは部分、くすみは全体。25歳がお肌の曲がり角といっても20代の肌というのは透明感があってまだピカピカ。ところが30代、40代、50代と年齢を重ねるうちにくすみが気になるようになってきます。実年齢よりも老けて見える原因にもなりますよ。

くすみの原因は大きく分けると4つ

美子

そういえば、読者の方からいただくお悩みの中でも、くすみは40代以降の方が多いですね。「若い頃は色白と評判だったのに、今では...」なんてお便りもあって、私の心のつぶやきを代弁してくれているようです。

グレン先生

エイジングケア世代にとって、くすみは悩みの種といえますよね。一般的にくすみとは肌の透明感や明るさが失われて、暗くくすんで見える状態を指します。大きく分けると「血行不良によるくすみ」「代謝の遅れによるくすみ」「乾燥によるくすみ」「糖化による黄ぐすみ」の4つがあります。

4つのくすみ

4つのくすみ
美子

それぞれ原因が異なるのですか?

くすみを招く血色不良

グレン先生

はい。順に見ていきましょうね。まず、肌の色は血色の影響を大きく受けているので、血行不良はテキメンにくすみを招きます。「血色」とは何か、美子さん答えられますか?

美子

「真皮の毛細血管を流れる血液の色が透けたもの」です。流れが悪いと濁ったように見えます。

グレン先生

正解。血行不良はむくみやシミの原因にもなるので、血行を良くしておくこと保湿と合わせて美肌の基本です。

美子

だからこそ、マッサージも必要なのですね。

グレン先生

マッサージはエステやスペシャルケアの一つと捉えている方も多いかもしれませんが、自宅でのお手入れの一環として、ぜひ習慣にしたいですね。準備するのにあまり手のかからないホットタオルもおすすめですよ。温かいタオルを肌にのせるだけでも、血行にはいいのですから。

くすみにつながる代謝の遅れや乾燥

グレン先生

2つ目の「代謝の遅れによるくすみ」とはターンオーバーの乱れのこと。ターンオーバーのサイクルが遅れると、不要な角質が肌に残ってしまうので角質肥厚が起こります。角質肥厚はメラニンを含んだ古い角質が積み重なった状態でもあるので、肌は暗く見えてしまうのです。疲れ、ストレス、冷え、睡眠不足、そして喫煙も代謝を遅らせる要因です。

美子

「スモーカーズフェイス」という言葉を聞いたことがありますが...?

グレン先生

肌のくすみや口周りのしわなどの肌トラブル、歯や歯ぐきの変色、白髪など喫煙者特有の顔として「スモーカーズフェイス」と表現されていますね。ニコチンには毛細血管を縮めてしまう働きがあるので、血液に乗って酸素も栄養も行き届かなくなってしまうのです。酸素や栄養が届かなければ代謝も下がってしまうのは想像がつきますよね?

美子

なるほど、喫煙は肌をくすませ、ゴワつかせるといわれるのも、そのためなのですね。

グレン先生

美子さん、理解力が高まっていますね。

美子

ありがとうございます。私、褒められると調子に乗るタイプです。「乾燥によるくすみ」は、肌が乾燥してバリア機能が低下すると角層の水分が失われてしまうので、結果、肌の透明感が失われて、くすんでしまうということですよね?

糖化による黄ぐすみとは?

グレン先生

よくできました。4つ目の「糖化による黄ぐすみ」はちょっと難しいですよ。読者の方でも酸化は聞き慣れているかもしれませんが、糖化はあまり耳にしない方も多いのではないのでしょうか。糖化とは体内で余ってしまった糖が原因で、肌の中の糖とたんぱく質が結びついて起こる現象のこと。美子さんはカラメルソースを作ったことはありますか?

美子

プリンのカラメルソースなら、ありますけれど...。でも、どうして、ここでカラメルソースが登場するのでしょう?

グレン先生

カラメルって透明な砂糖水を焦がして、飴色に仕上げていきますよね。肌にも同じようなことが起こっているのです。糖化=カラメル化=黄ぐすみなのですよ。

美子

えっ、酸化はサビで、糖化はコゲということでしょうか?

グレン先生

その通り。黄ぐすみは糖質の取り過ぎ紫外線、加齢などが原因で、体内にある糖とたんぱく質が結びついて黄色く変色した状態。生きていく上で糖質は大切な栄養素です。でも取り過ぎると肌にも影響が出てしまうのですね。

血行の良い肌をキープしながら、肌の土台に働きかけるケアを

美子

糖化の話を聞くと、スイーツ女子の私としては悲しくなってしまいます。

グレン先生

もちろん取り過ぎはNGですが、「糖質を断つ」ということではありませんよ。それに、甘いモノを口にしなければ糖化しなくなるかというと、その答えも必ずしもYESではないのですから。

美子

つまり、バランスということ!

グレン先生

くすみケアの第一歩は保湿を徹底して肌を乾燥させないこと。その上でマッサージを習慣にして、血行のよい肌を保つことがくすみ改善への近道です。リンパや血液の流れをスムーズにするマッサージは、伸びの良いマッサージクリームを使って、肌表面に指をすべらすような優しいタッチで行うのがポイントです。

美子

習慣にするのが一番。でも疲れている夜は、マッサージが面倒になってしまうときも...。

グレン先生

疲れているときこそ、マッサージやホットタオルで、肌も心もリラックスさせてあげましょう。顔だけでなく体も温めるのが理想です。入浴はシャワーで済ませずにバスタブに浸かりましょうね。疲れも取れますよ。ストレッチやウォーキングなどの軽い運動もくすみケアにつながります。血行が良ければ血色も良くなって肌は明るく見えます。古い角質がくすみの原因になっていることも十分に考えられるので、ターンオーバーを整えることを忘れないように。

美子

後輩の「疲れて見える」発言はショックでしたが、マッサージを含めた肌のお手入れ、お風呂、ウォーキングと頑張ってみます。これから、ますます忙しくなりそう!

グレン先生

継続は力なり、効果なりです。

美子プロフィール
グレン先生プロフィール
次回予告

次回はしつこく繰り返す「大人のニキビ」に着目。
10代のニキビとは異なるニキビケアについても考えます。
またご一緒に肌悩みに取り組んでいきましょう。

読者からの質問の手紙

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