メラニンケアに期待大! 注目の成分「グルタチオン」

肌老化の大きな原因として知られる紫外線。まだ少し寒さが残る春先は油断しがちですが、紫外線量は右肩上がり。強い日差しを感じなくても今の時点でUVAは残暑の厳しい9月並み、UVBも秋口レベルです。そこで紹介したいのが美白の救世主と謳われている「グルタチオン」。これからの季節、お手入れに加えたいこの成分についておさらいします。

【年間UVA・UVB量】

メラニンケアに期待大! 注目の成分「グルタチオン」

左赤・UVA、右黄・UVB
参照:気象庁

 

グルタチオンとは?

グルタチオンは美肌に働きかける3種類のアミノ酸(グルタミン酸・システイン・グリシン)が結合したトリペプチド。トリペプチドとはアミノ酸が3つつながっているものを指す言葉です。決して新しい成分ではありません。昔から医薬品成分として治療に広く使われ、私たちの体内でも合成され、肝臓や皮膚、角膜などに多く含まれているといわれています。

メラニンケアに期待大! 注目の成分「グルタチオン」

・グルタミン酸

うまみ成分として知られているアミノ酸。成長ホルモンの分泌を促す、免疫力を高める、くすみを除去する、アンモニアの解毒作用による利尿効果などに働きます。

・システイン

髪の毛や爪、皮膚に多く含まれているアミノ酸。肝臓の解毒作用や皮膚の代謝を促してターンオーバーを整えたり、ストレスや紫外線などで生じた活性酸素を除去する。黒色メラニンの生成を抑えます。

・グリシン

神経伝達に関わり、睡眠の質を高める役割を担っているアミノ酸。コラーゲンの生成にも欠かせない成分です。

医薬品としての主な特長は、解毒作用と抗酸化作用

グルタチオンの特徴は解毒作用と抗酸化作用にあります。私たちの体に入った毒物や異物は肝臓で解毒されますが、その解毒に作用するのがグルタチオンです。腸内環境を整えたり、アルコールも分解して無毒化をサポートしてくれたりするので、お酒を飲む前後に服用すれば二日酔いの予防にもなります。ただしグルタチオンは薬。服用には病院での処方が必要です。

また、グルタチオンは活性酵素を抑え、免疫力を向上させる効果が期待できます。活性酸素はウイルスや細菌をやっつける上で必要なものではあるのですが、増えすぎると正常な細胞も攻撃してしまいます。これが老化につながります。そのため老化現象から守るには必須の成分ですが、体内での合成は20代がピーク。加齢と紫外線などの影響で減少してしまいます。つまり老化が深刻になる年代の “自前グルタチオン”は足りていないのが一般的。意識して補っていきたい成分の一つというわけです。

近年は美容の分野でも大注目

メラニンケアに期待大! 注目の成分「グルタチオン」

酸素は体の中で栄養素と結びついてエネルギーを作り出します。しかし余ってしまった酸素は体の老化の原因となる活性酸素となり、細胞内外のタンパク質を酸化させます。これが細胞の機能低下などの原因となり、肌の老化にも深く関わっています。しかも、紫外線、食生活の乱れ、ストレス、睡眠不足など、酸化を引き起こすNG行動とともにあるといっても過言ではないのが、私たちの日常です。強力な抗酸化能力を持つグルタチオンが、美容の分野で注目されるも当然といえば当然です。

美容大国といわれている韓国から人気に火がついた「白玉点滴」や「白玉注射」は、まさにこのグルタチオンを高濃度でダイレクトに注入する施術です。疲労回復や美白、美肌に期待できる施術として、日本でも受ける人が増えています。安全性は薬の副作用治療に使われることもあるほど高く、副作用は非常に少ないといわれています。もちろん、薬品である以上リスクゼロではありません。ごく稀に食欲不振、吐き気、嘔吐、頭痛、発疹などがあるとされています。

美容面での効果は、なんといっても美白

メラニンケアに期待大! 注目の成分「グルタチオン」

「白玉点滴」「白玉注射」。そのネーミングからも想像がつくと思いますが、グルタチオンは強力な抗酸化力で細胞の老化を防ぐとともに、シミの元になるメラニンに対してもWの効果を発揮します。一つはメラニンの生成を抑える効果。もう一つはメラニンを黒くしない効果です。グルタチオンはメラニンがつくられる過程のドーパキノンに働きかけて肌色メラニンの生成を促し、黒色メラニンの生成を抑制します。ちなみに、メラニンは悪者のイメージがありますが、もともとは体を紫外線から守るものなので「毒」ではありません。黒色と化したメラニンが美容には厄介なだけです。

“メラニンをつくらせない、黒くさせない”グルタチオン。さらにすごいのが、他の抗酸化物質と結びつくと活性酸素を中和する作用があることです。例えばビタミンC。活性酸素に働きかけたビタミンCは酸化し、その力を弱めてしまいます。グルタチオンはパワーを失ったビタミンCを元の状態に戻し、ビタミンCの作用を強化させるサポートをします。まさに「鬼に金棒」的な働きで、しわやたるみなど加齢による肌の変化を阻止する役割を果たしてくれるというわけです。

基礎化粧品に配合されるグルタチオン

ここまでのところで、グルタチオンがいかに優れた成分であるかということがわかっていただけたのではないでしょうか。とはいえ、白玉点滴や白玉注射も効果を持続させるには継続的に行うことが求められますし、日々の地道なスキンケアを抜きに美は成り立ちません。紫外線から肌を守りながら、毎日続ける美白ケアあっての白肌です。分子が小さいグルタチオンは、皮膚表面からも浸透しやすく、化粧品として塗布することで美容への効果を発揮すると期待されています。他の抗酸化物質とは違う作用で活性酸素に働きかける機能も持つグルタチオンは、ビタミンC、E、Aと組み合わせることで相乗効果を発揮し、アンチエイジング効果を高めます。

サプリメントとしてのグルタチオン

メラニンケアに期待大! 注目の成分「グルタチオン」

日本の薬事法ではグルタチオンは医薬品成分に定められているため、サプリメントの製造・販売は許可されていません。自己責任の元で、ネット通販などで海外製品を手に入れることになります。ただし、例外としてグルタチオンを天然に含む「トルラ」という酵母は、日本でもサプリメントとして販売することが許されています。

薬としてのグルタチオン

医薬品成分であるグルタチオンは、病院で処方してもらい内服薬として取り入れることができます。美容や健康目的だけではなく、二日酔い対策や疲労対策に服用することも可能です。ただし他の内服薬がある場合は必ず医師や薬剤師に伝えた上で処方してもらうこと。治療目的と美容目的では服用量が変わってくることもあります。医師の指示にしたがうことは大前提です。新型コロナウイルスの影響でインターネットのオンライン診療が広まり、院内処方の薬もしくは処方箋が自宅に届く時代になりましたが、直接診察ができないため見落としのリスクがあることも理解した上での利用が求められます。

グルタチオンを食品で摂取するには

メラニンケアに期待大! 注目の成分「グルタチオン」

グルタチオンは食品にも含まれています。肉類、魚介類、レバー、トマト、ブロッコリー、ほうれん草、アスパラガス 、キャベツ、キュウリ 、カボチャ、豆類、キノコ、キウイ、パン酵母など。どれもこれも普段食べている身近なものばかり。ただ残念なことが一つ。それは胃腸で容易に分解されてしまうので、食事で十分量を摂取するには限界があるのです。でも、だからこそ「これらの食材を毎日のメニューに積極的に加えることが大切」ともいいかえることができます。

活性酸素との戦いの今こそ

いかがでしたか?グルタチオンへの理解を深めることにつながったでしょうか。特にこれから紫外線量が増える半年間は、日々活性酸素との戦いです。その紫外線による活性酸素の影響を最も受けやすいのは肌ということを意識して、美白とエイジングの両方を同時に叶えるケアをしていきましょう。グルタチオンは未来の肌が楽しみになる美容成分であることは間違いありません。

最新の美容情報を受け取る!

最新の美容情報を受け取る!

よろしければ いいね!をお願いします

Twitterで

スキンケアの最新記事