“油分”は必須。”油断”は禁物。秋の肌はクリームで立て直す!

「夏ってこんなに暑かった?」。そう思うほど酷暑が続いた2022年の夏。ベタつくのが嫌だからクリームはパスした、量を減らしたという方もいたのではないでしょうか。しっかり皮脂膜がつくることができればそれもありですが、40代以降の皮脂分泌量は20代の半分というのが現実。秋の今こそ、夏のダメージ肌を立てなおす、クリームのお手入れを見直してみましょう。

 

思っているほど皮脂は出ていない

35度超えの猛暑日は歴代最多で日本史上。喜ばしくない記録を打ち立てた今年の夏、肌のベタつきにも悩まされる日々でした。ベタつきの原因は皮脂だけではありません。汗の分泌も一因で、40代からの肌は夏とて平均的な皮脂の分泌量はそう多くはありません。現実は20代、30代の冬の量レベルです。過剰というにはほど遠いのが現実。しかも汗を拭うたびに、少なからず皮脂も取られてしまいます。にもかかわらず、今年のように高温多湿が顕著だと、汗をうるおいと勘違いしてしまったり、暑さのあまり簡単なケアで済ませてしまったり、お手入れ不足になりがち。マスクの内側にこもった湿気も外せば、一気に蒸散します。そのときに肌内部の水分も一緒に奪われている可能性は大いにあります。頬は皮脂の分泌が少ないからです。

【季節による皮脂量の変化】

“油分”は必須。”油断”は禁物。秋の肌はクリームで立て直す!

大人の肌には油分が不可欠です!

保湿とは、字の如くうるおいが保たれていることです。私たちは化粧水でうるおいを与えることにも「保湿」という言葉を使いますが、厳密には化粧水だけでうるおいを保つことはできません。なぜ、化粧水だけでは保湿が充分とはいえないのでしょうか? 角層の肌に水分が保持される仕組みを理解すれば、その理由がわかります。

「細胞間脂質」「NMF(天然保湿因子)」「皮脂」の働きとは?

“油分”は必須。”油断”は禁物。秋の肌はクリームで立て直す!

肌のうるおいを保っているのは角層です。その角質層には上記の①「細胞間脂質」②「NMF(天然保湿因子)」③「皮脂」という3つの保湿因子が存在しています。それぞれに役割があり、角質細胞間脂質には、水分と油分の配置をきれいに整える働きがあり、NMFには水分を取り込んで抱え込む働きがあります。そして水分の蒸発を防ぐ働きをしているのが皮脂で、3つの働きがバランスよく整っていると角質層は安定しバリア機能も高まります。

しかし、なかなか理想通りの角層ではいられないのが大人の肌です。加齢、ターンオーバーの乱れ、紫外線など、さまざまな要因で完全ではいられません。結果、隙間から水分蒸発が起こってしまいます。

蒸発を防ぐにはとにかく油分が必要です。年齢を重ねるほど皮脂という名の油分には期待できませんから、乳液やクリームで油分を補う必要があります。つまり、アブラ断ち=油断は禁物ということ。ちなみに化粧水や美容液は各メーカーにより異なるものの一般的に構成成分のほとんどが水溶性成分になります。

嫌うなんてもってのほか!油だからできること

1. うるおいを逃さない

油分をチャージすれば肌の上でふたになるので、中からの水分が蒸発しにくくなります。また時間が経って油分が角層に浸透して細胞と細胞の隙間に入り込んで細胞間脂質になじめば、バリアが強化されて、保湿力が高まります。バリア機能が高まれば炎症が起こりにくくなり、細胞の代謝もスムーズに。

2. 脂溶性のエイジング成分を豊富に与えることができる

化粧品の成分には水溶性と脂溶性のものがあります。水溶性の方が浸透しやすいイメージがありますが、水溶性と脂溶性の両方の性質を持っている方が各層への親和性は強くなります。

油に水を入れると反発するように、肌に水溶性の成分を与えると、少なからず角層の脂質(皮脂や細胞間脂質の成分)による反発が起こるからです。

3. しなやかさ、艶やかさも油分で解消

油分が不足した肌は硬くごわついていますが、きちんと油を補えばしなやかになり、柔軟性が増してきます。油分によってできた肌表面の薄い膜に光が反射されれば、艶も出ます。バッグや靴などの革小物に油を塗ると同じ理屈です。

クリーム、乳液、美容オイルはこう違う

油分を多く含むスキンケア製品にはクリーム、乳液、美容オイルがあります。クリームと乳液は、ともに本来は溶け合わない油分と水分を〝乳化〟技術で混ぜ合わせたもの。テクスチャーのコクからも分かるように、一般的にはクリームの方が乳液より油分が多いつくりです。水分を逃さない上にエイジンクケア成分をたっぷり補給でき、かつ肌にしっかり蓋ができるのはクリームになります。水分と油分をバランスよく与えられるのは乳液。美容オイルは即効的にツヤをプラスし、ソフトにふたをすることができます。

時代は進化。今の“油モノ”は昔ほどベタつかない

“油分”は必須。”油断”は禁物。秋の肌はクリームで立て直す!

クリームや美容オイルを苦手とする人が、一番の理由にあげるのは「ベタつき」。確かに、昔のクリームはそのようなものが大半でした。でも今の〝油モノ〟は、昔とは大分違います。

サラサラした感触の脂溶性原料が登場し、製品の感触も変化しているからです。油と水を混ぜる乳化技術も進化し、油分の配合率が高いクリームでもベタつきにくいものが主流といえるくらいです。

また各社、感触のポイントとなる原料の配合バランスにも心を砕いています。多くの脂溶性成分から何を選び、どう組み合わせ、どう配合するかはブランドの腕の見せどころであり、肌への浸透性、後肌などを大きく左右するからです。敬遠している方は、一度先入観を捨ててチャレンジしてみてください!コックリ系であっても、ベタつきとは一線を画す製品が豊富にあり、美容液同様の機能を備えたクリームがあるのですから。

一刻も早い保湿の見直しで、冬に備える

気温も湿度も、肌にとってはとても良い環境といえる秋。しかし、まだ夏のダメージのせいでターンオーバーの乱れを引きずってしまっているという方も少なくはないでしょう。しかもこの季節は、日々の変動や昼夜の差が大きいため、実は肌はゆらぎやすくもあり、より積極的な保湿が求められます。以下の注意事項、ポイントも念頭に入れてクリームでのお手入れを進めてください。

適正な使用量を守る

基礎化粧品の効果を実感するには、製品に記載されている使用量を守り、根気よく毎日使ってこそ。クリームも使用量を減らして薄く塗ったりせずに、適量を使いましょう。使用量が少ないと肌に摩擦を与えてしまうので、さらに肌トラブルを招くこともあります。角層の水分保持の仕組みをしっかり理解してイメージしながらお手入れをすると、量を守ろうという気持ちにもなりますよ。

間違いやすい目元美容液と目元用クリーム

アイセラム(美容液)は、クリームの前につけますが、なぜアイクリームは、顔全体に使うクリームの後に使用するのかご存知ですか?先にアイクリームを塗ると、せっかく部分使いしたものが、あとから使うクリームによって全体に広がってしまう可能性があるからといわれています。

うるおい肌のためにはクレンジングの見直しも

“油分”は必須。”油断”は禁物。秋の肌はクリームで立て直す!

肌のうるおいを保つために欠かせない角層内のNMFや細胞間脂質のセラミドは、メイクや汚れを落とすクレンジング時に流出しやすいからです。洗顔時のこすりすぎも禁物です。水気の拭き取りも柔らかいタオルで肌を軽くおさえるように優しく丁寧に。“落とすケア”でも秋の肌に差がつきます。もちろんクリームを使う前にしっかり水分を与えておくことは基本のキです。

メイクアップ製品選びもスキンケアの延長

夏の間はメイク崩れしないことを優先に選んだメイクアップ製品、化粧下地やファンデーション、パウダーなども、保湿美容成分が高濃度に配合されたタイプに切り替えることもスキンケアの延長です。

夏のツケをクリアするには秋のお手入れが鍵

長かった今年の夏のダメージは例年以上と心得て、丁寧に行いたい秋のスキンケア。特に年齢を重ねた大人の肌こそ、過保護過ぎるほど保湿を意識することが大切です。そのためにも大人仕様の保湿成分をたっぷりと配合したクリームは必要不可欠。見落としがちなポイントも考慮しながら、毎日継続したケアで、夏のツケをクリアに、過酷な冬に備えられるすこやかな秋肌に整えていきましょう。

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