「黄ぐすみ」とはなに?「たるみ」にもつながる真実と解決法!

ここ最近、美容用語として急浮上の「黄ぐすみ」。実は深刻なエイジングのサインです。鏡に映る顔色が黄色く感じる、なぜかオレンジ系のチークやリップしか似合わなくなってきたと思ったら、要注意。黄ぐすみの原因を理解して、対策を行う時期に来ているのです。知っているようで知らない黄ぐすみについて、その正体から原因、今すぐに始めたい対策まで紹介します。

 

黄ぐすみとは?肌のくすみは6種類もある!

くすみは肌の透明感が失われた“状態”を指す言葉。あくまでも状態なので、厳密な定義はありません。ただ「くすみ方」には種類があります。なんと、くすみの種類は6つ。さっそく、確認してみましょう。

【くすみの種類】
1.乾燥による、グレーがかったくすみ
2.血行不良による、青暗いくすみ
3.角質肥厚による、ごわついたくすみ
4.炎症などによる、赤ぐすみ
5.メラニン(色素沈着)による、茶褐色のくすみ
6.糖化による、黄みがかったくすみ

 

今回掘り下げるのはこのうちの6番目のくすみ、肌のハリ・弾力を支える真皮層が黄色く変色することで起こる「黄ぐすみ」です。

黄ぐすみの原因は、糖化とカルボニル化

体のコゲとも呼ばれる「糖化」

「黄ぐすみ」とはなに?「たるみ」にもつながる真実と解決法!

通常、食事などから摂取した糖分は体内でエネルギーに変換・代謝されます。疲れると甘いものが食べたくなり、炭水化物を取ると元気が出るのもエネルギー源だからです。でも、糖分を取り過ぎる傾向にあるのが現代人。過剰に摂取すると、エネルギーに変換しきれない糖が出てきます。この余った糖と体内のタンパク質が結びついて起こるのが「糖化」です。上記のスイーツの画像でキャラメル化しているのを見るとイメージがしやすいのではないでしょうか?そして糖化によって作られる黄褐色の「AGEs(糖化タンパク質)」という物質が「黄ぐすみ」の原因になるのです。私たちの食事の中では、スイーツやご飯などの糖分だけではなく、揚げた食品や焼いた食品などAGEsを含む食品から直接取り込んでしまう場合もあります。また、糖とは直接関係のないように思える喫煙もAGEs生成を促進します。

そしてもう一つ、近年、糖化より深刻な黄ぐすみを引き起こす原因としてクローズアップされているのが「カルボニル化」です。カルボニル化は、酸化した脂質と体内のタンパク質が結び付くことで起こり、黄褐色の「ALEs(カルボニル化タンパク質)」がつくられます。カルボニル化が進んだ肌は、糖化による黄ぐすみより、さらに黄色くなるといわれています。カルボニル化を起こしたタンパク質は変性して硬くなるため、なかなか分解されません。さらに真皮はターンオーバーが遅いので、真皮にできた黄ぐすみは簡単には消えないくすみになってしまうのです。

「黄ぐすみ」とはなに?「たるみ」にもつながる真実と解決法!

どちらも、タンパク質を変色させ、黄ぐすみを引き起こしたり、コラーゲンを硬くさせて、ハリ・弾力の低下を引き起こします。

「黄ぐすみ」とはなに?「たるみ」にもつながる真実と解決法!

黄ぐすみが怖いのは、たるみにもつながること

「黄ぐすみ」とはなに?「たるみ」にもつながる真実と解決法!

肌のハリや弾力を保つには、真皮のコラーゲンやエラスチンがすこやかであることが絶対条件です。このコラーゲンやエラスチンがタンパク質であることはご存じですか?糖化やカルボニル化はすこやかなコラーゲンやエラスチンを破壊することで、結果として「たるみ」を引き起こすのです。つまり、肌を黄色くくすませるだけではないのが、糖化やカルボニル化の恐ろしいところです。

あなたは大丈夫?その黄ぐすみをチェック!

あなたの肌は大丈夫ですか?黄ぐすみを簡単にチェックするリストで確認してみましょう。思い当たる項目が多いほど糖化やカルボニル化が進んでいる可能性が大です。

【黄ぐすみ簡単チェックリスト】
?スイーツやスナック菓子が好き
?ジュースや砂糖入りのコーヒーや紅茶をよく飲む
?白米、パン、麺類など炭水化物をよく食べている
?揚げ物、焼いた魚や肉をよく食べる
?野菜が足りていないと思う
?アルコールの摂取量が多い
?紫外線対策をあまりしていない
?同年代よりシミ・しわ・たるみが多いと感じる
?運動の習慣がない
?たばこを吸う
?「糖尿病予備軍」「血糖値が高め」と医療機関で言われたことがある

スキンケアで黄ぐすみを改善する3つのポイント

チェック項目が多いからと諦めるにはまだ早いです。まずは、スキンケアで対策を行いましょう。解決のポイントは「①保湿」「②紫外線対策」「③抗糖化」です。

①保湿

肌の乾燥は黄ぐすみの直接的な原因ではありませんが、保湿はスキンケアの基本です。十分に保湿をしてターンオーバーを促すこと、皮脂の過剰分泌を抑えること、バリア機能を向上させることは、大切な黄ぐすみ対策です。乾燥した肌はカルボニル化したタンパク質が増加しやすいともいわれています。

②紫外線対策

保湿と並んで紫外線対策は、肌のことを考えれば当たり前のことですが、紫外線を浴びると活性酸素が増え、脂質の酸化に関連して起こるカルボニル化を促すことになります。年間を通しての紫外線対策は必須なお手入れです。

③抗糖化

抗糖化とは、糖化を防ぐことです。「抗糖化」に力を入れている化粧品を普段のお手入れに取り入れるのも、黄ぐすみ対策には有効だと考えられます。黄ぐすみの抑制を目的にした、「糖とたんぱく質の結合を防ぐ抗糖化成分」「脂質の酸化を抑制する抗酸化成分」を配合した製品も増えてきました。上手に利用してみるのもいいでしょう。

メイクで改善。黄ぐすみ肌でも透明感UP!

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メイク下地

黄色の反対色のラベンダー系は黄ぐすみや色ムラをカバーして、透明感のある澄んだ印象の肌へ導いてくれる色。メイク下地として仕込むだけで、ファンデーションの厚塗りも防げます。「額」「鼻」「左右の頬」「顎」の5点に置いて、顔の中心から外側に向かって伸ばしていきましょう。化粧下地だけで肌がワントーン明るくなります。また、ハイライト効果もあるため、立体感も出せます。質感としては、ツヤや光の反射効果のある下地を選ぶのが正解。黄味が強めの場合は、下地を首まで伸ばすと色の差を目立たなくすることができます。

ファンデーション

薄づきでもしっかりカバーできるファンデーションを選びましょう。ツヤ感や透明感を演出しやすいのは、パウダーよりもリキッドです。

フェイスパウダー

ラベンダーカラーやピンク系のフェイスパウダーをパフやブラシにパウダーを適量ふくませ、顔の中心から外側に向かって滑らせるように塗っていきます。軽やかな仕上がりを心がけ、首の色の差が出ないように意識することも忘れずに。

アイメイク

目元はツヤを意識しましょう。アイシャドウは肌になじみやすいオレンジ系を使用し、アイホール全体に薄く単色塗りをします。ベースメイクが薄づきなので、濃く塗り過ぎると悪目立ちしてしまうので注意。仕上げに、まぶたの中央にラメをのせてツヤを強調すれば、肌の透明感をより引き立てることができます。

チーク

青みピンクには肌の黄みを抑えて、肌をより明るくキレイに見せる効果があります。

リップ

リップも自然な血色感や透明感が大切です。黄ぐすみ肌に失敗がないのは、黄み肌にもともと似合うオレンジみのあるサーモンピンクやコーラルオレンジ系。ピンク系も赤みのあるピンクベージュや青みの強過ぎないローズピンクは、透明感を上げてくれます。レッド系も寒色系に振らずに、温かみのある色を選べば失敗なくこなせるはずです。

糖化を防ぐために食生活を見直す

「黄ぐすみ」とはなに?「たるみ」にもつながる真実と解決法!

代謝の衰える40代頃から始まるとされる黄ぐすみ。完全に糖化やカルボニル化をストップすることは難しいのが現実です。そうとはいえ、原因が“食”にあることがはっきりしているので、食生活の見直しは黄ぐすみ予防につながります。「糖質」を抑えてAGEsの体内での発生を防ぐのはもちろんですが、食事からAGEs自体を取り込まないようにすることも見直しの重要点です。

1 AGEsの含まれる食品の摂取を減らす

揚げ物、クッキーやケーキなどの焼き菓子、照り焼きなどAGEsは糖質やタンパク質を「焼く」「揚げる」などの高温調理した食品にたくさん含まれます。これらの食品の摂取を減らすように努めましょう。

2 GI値の低い食品を選ぶ

体内では、血糖値が上がったり下がったりを繰り返すことでAGEsが発生します。 血糖値が急激に上がらないようコントロールすることが大切です。GI(グリセミック指数)値の低い食材は、急激な血糖値上昇を避けることができます。GI値は、食品の血糖値の上がりやすさを数値化したものです。

GIの低い食材 GIの高い食材
緑黄色野菜、海藻類、きのこ、豆類、精製されていない穀物(玄米、全粒粉パン、全粒粉パスタ、そばなど)、肉、魚、牛乳、チーズ、卵、ツナ缶、水煮缶、グレープフルーツ、りんご、ヨーグルトなど 精製された穀物(白米、食パン、麺類)、芋類、白砂糖、甘いお菓子、スナック菓子、フライドポテト、アルコール、スイカ、メロン、バナナ、パイナップル、はちみつなど

3 食べる順番を意識する

炭水化物は「糖」で出来ているので、食べると急激に血糖値が上がります。先に血糖値の上昇を抑える野菜、食物繊維が多い食材、たんぱく質を取るようにしましょう。前菜やサラダから食べるコース料理は理にかなっています。

4 炭水化物は単体で食べない

炭水化物と一緒に、油・食物繊維の豊富な海藻・糖質の代謝を促すビタミンBが豊富なキノコと一緒に取ると、AGEsの発生が穏やかになります。トーストだけ、おにぎりだけといった食べ方は避けましょう。

5 カテキンが豊富なお茶は糖化予防ドリンク

糖化予防には血糖値が高い状態を避けるのがカギ。食事と一緒に飲むほか、こまめに摂取してお茶の抗糖化成分が常に血中にある状態をキープしましょう。

【抗糖化作用が期待できるお茶】
●高濃度の緑茶、グアバ茶・・・血糖値の上昇を抑える
●甜茶、どくだみ茶・・・AGEsを増やさない、蓄積を防ぐ作用が期待できる
●ルイボスティー、柿の葉茶、よもぎ茶・・・AGEsの分解を促す可能性がある

AGEsの排出促進「ヒートショックプロテインを活性化する入浴法」!

「黄ぐすみ」とはなに?「たるみ」にもつながる真実と解決法!

洗顔にはぬるま湯が基本ですが、食生活の見直しと併せて、トライしてみたいのが「ヒートショックプロテインを活性化する入浴法」です。私たちの体には熱を与えることで活性化する、特殊なタンパク質「ヒートショックプロテイン(HSP)」が存在します。ヒートショックプロテインはコラーゲンの再生や代謝にも関わっていて、糖化したAGEsの排出を促す存在と考えられています。42℃の時にもっとも活性化することが分かっているため、入浴に42℃のお湯を取り入れるのが効果的といわれています。一度活性化したヒートショックプロテインは3日ほど続くので、3日に一度でも効果は期待できます。

【ヒートショックプロテイン入浴法】
①冷たいシャワーを浴びる。
②42℃のお湯に10~15分入る。(入浴中はお湯が冷えないよう42℃をキープ)
③体が冷えないように毛布などを被って1時間以上保温する。
④温かいお茶や白湯で水分補給を。

 

この入浴法の考え方は洗顔にも応用できますが、顔を浴槽につけることはできません。しかも、熱いお湯ですすぐと肌を乾燥させてしまうので、顔にはホットタオルをおすすめします。

【ヒートショックプロテイン入浴法を応用した洗顔法】
①ホットタオルを使う前に顔を水で冷やす。
②42℃ほどに温めたホットタオルを、冷めないように温め直しながら10~15分ほど顔に当てる。乾燥を防ぐために化粧水やクリームをつけてからでもOK。

肌の黄ぐすみへの対策は糖化対策

いかがでしたか?肌の黄ぐすみを引き起こす糖化。今回は、すぐに始められる糖化対策をご紹介しました。糖化は健康を損なう場合もありますので、日々の生活を見直す参考にしてくださいね。

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