疲れが抜けない?!「食物繊維」は足りていますか?

豊富な食材・サプリメントに支えられ、現代の食生活は限りなく豊かで健康的なはずなのに、「激しい運動もしないのに、いつも疲れている」「寝て起きてもだるさが抜けない」という人が多い不思議。しつこくまとわりつく慢性的な疲労感に「思い当たる!」という方は、もしかしたら食物繊維が足りていないのかも!?

今回は、カロリーフリーでダイエットの味方、スタミナ増強とは真逆の印象を持つ「食物繊維」が疲労回復にどう関わっているのか、詳しく見ていきましょう。

食べていても陥る「新型栄養失調」

「新型栄養失調」とは、飢餓ではなく栄養素不足による栄養失調を指します。病気を抱えているわけでもないのに起こる、疲労感など体の不調はタンパク質やビタミン、ミネラルなど特定の栄養素が足りていない「栄養失調」による可能性が多分にあるといわれています。

体を動かすエネルギー源となる3大栄養素は「タンパク質・脂質・炭水化物」。これらをバランスよく摂取することが望ましいものの、脂質や炭水化物は、健康傾向の食生活では控えたくなる部類だし、手軽なコンビニ弁当やファストフードは身の回りに溢れている生活環境…。私たちのライフスタイルには、知らず知らずに偏った食生活に陥ってしまう落とし穴が潜んでいるのです。

食物繊維は、魚介類や肉類などの動物性食品にはほとんど含まれず、穀類や野菜など植物性食品に含まれています。食の欧米化が進み、多くの日本人は食物繊維が不足しているといわれ、疲労感や倦怠感など体の不調につながる原因の一つに挙げられています。

「食物繊維」とは?

疲れが抜けない?!「食物繊維」は足りていますか?

消化器官の中で消化・吸収されずに大腸まで達する栄養成分です。ダイエットや便秘解消だけでなく、腸内環境を整える作用でお腹の中から体調を改善し、高い健康効果が期待できます。

食物繊維は「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類に分類されます。ただし、どちらの食物繊維も含む食品は多くありますので、満遍なく取り入れていくようにしましょう。

不溶性食物繊維

名前の通り、水に溶けにくく、水分を吸収して便のかさを増やす作用があります。さらに腸内の不要なものを吸収し、便と一緒に体外に排出します。

【不溶性食物繊維を多く含む食品】
穀類(玄米、麦、胚芽米、全粒粉など)、豆類、イモ類、キノコ類、ゴボウ、完熟野菜類、甲殻類の殻

水溶性食物繊維

水に溶けるとジェル状になり、胃腸内をゆっくり流れることによって、糖質やコレステロールの吸収をゆるやかに抑えます。体外に排泄させる作用で血中コレステロール値を下げる効果も期待できます。

【水溶性食物繊維を多く含む食品】
海藻類、果物、野菜(キャベツ、大根など)

食物繊維は、腸活の名バイプレイヤー!

人間の腸には百兆個を優に超えるとてつもなく大量の善玉菌、悪玉菌、日和見菌と呼ばれる常在菌がバランスを取りながら存在しています。この腸内細菌の大切な働きの一つが「短鎖脂肪酸」をつくること。ここで活躍するのが、食物繊維なのです。

健康な体づくりに必須!「短鎖脂肪酸」とは?

腸内を酸性に保ち、ウィルス、病原菌など健康に害をもたらす菌の侵入を防ぐバリア機能、悪玉菌を抑制し、増殖を防ぐ殺菌・静菌作用など、私たちの健康になくてはならない働きを持っています。

 

短鎖脂肪酸を増やすためには、良い腸内細菌が多く存在する腸内環境が必要です。食物繊維は、【腸内細菌のエサ】となり、腸内細菌を通して体の健康を裏方的に支える役割を担います。

疲れにくい体をつくるカギは、短鎖脂肪酸を増やすこと!そのためには腸内細菌の栄養となるご飯を与えて善玉菌を増やすことが肝心です。食物繊維をしっかり取って、良い働きを生み出す腸内細菌を育てましょう!

疲労に効く!スナックアイデア3つ

健康な体づくりには、食物繊維の多い食材と体を動かすエネルギー源となるタンパク質や良質な脂質の組み合わせがより効果的です。簡単ヘルシーなスナックレシピをご紹介します。

1 洋梨+リコッタチーズ+ハチミツ+シナモン

疲れが抜けない?!「食物繊維」は足りていますか?

洋梨は、不溶性・水溶性と2種の食物繊維を含み、その全含有量の29%は水溶性繊維です。リコッタチーズにはタンパク質、カルシウム、オメガ脂肪酸が豊富に含まれ、消化促進作用のあるシナモンと栄養の宝庫ハチミツのトッピングでパワーブレックファストにも最適。

2 ドライデーツ+ピーナッツバター

疲れが抜けない?!「食物繊維」は足りていますか?

栄養価の高いスーパーフード、デーツには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。タンパク質と良質な脂質に恵まれているピーナッツバターと合わせて、そのままいただくも良し、雑穀クラッカーのディップやトーストにオンも良し!

3 アボカド +全粒粉パン+リンゴ+フェタチーズ+ハチミツ+ルッコラ

疲れが抜けない?!「食物繊維」は足りていますか?

「食べる美容液」とも呼ばれる美肌食材アボカドには食物繊維も脂質もたっぷりです。穀類、果物、タンパク質、ミネラルと一緒に食べればパーフェクトなバランスに。全部のせのオープンサンドでどうぞ!

脱・疲労感!食物繊維で「菌活&腸活」

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020版)」によると、成人女性の食物繊維の一日あたりの摂取目標量は18g以上といわれています。例えば、焼き海苔100gに含まれる食物繊維の総量は「36g」と多いですが、海苔だけを毎日100g食べるのはとても大変!百兆個もの腸内細菌を育てるためにも、穀類や豆類、野菜、海藻類と多種類を一日の食事に満遍なく取り入れ、たっぷり食べることを意識しましょう。

「食物繊維足りている?」簡単チェック!

食物繊維が足りているかは、「排便の状態」を目安にしましょう。

一日一回、規則的に排便がある。
・その場合、一日に約150g(見た目でMサイズの卵、約3個分)の便量があること。

この便量をつくり出せていれば、一日の食物繊維は足りている証拠!

 

秋の味覚には、サツマイモ、キノコ類、柿、梨、ぶどうなど食物繊維が豊富なものがたくさんあります。美味しく食べて、気がついたらいつも元気!食欲の秋を体力づくりの秋にしちゃいましょう!

【参照】
https://www.wellandgood.com/fiber-energy/
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm

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