今さら聞けない!40代以降の「VIO脱毛」。ハイジニーナはあり?なし?
すっかりメジャーになった医療脱毛。「脇の下や手足から始めて、結局全身脱毛しちゃった!」という方も少なくありません。もちろんアンダーヘアも。お洒落や美容のためというだけではなく、40〜50代では、将来を見据えて介護が必要になったときのためにVIO脱毛を希望する方も増えています。今回は、大人のためのVIO脱毛についてご紹介します。
目次
おさらい、医療脱毛と美容脱毛の違いとは?
自己処理の面倒から解放される医療脱毛
医療脱毛、ハイジニーナだけは慎重に
黒ずみもあからさまに?
将来に備え「介護脱毛」はマスト?
「フェムケア」ですこやかに美しく
おさらい、医療脱毛と美容脱毛の違いとは?
「医療脱毛」は、美容クリニックなどの医療機関で行われている施術です。脱毛レーザーの照射出力が非常に高く、毛の製造元である毛乳頭・毛母細胞を破壊することが目的です。「治療」に匹敵するので、施術者には資格や免許が必要になります。
一度破壊された毛母細胞からは再び毛が生えてくることはありません。半永久的に脱毛効果が得られるのが特徴ですが、効果をしっかり実感するには5〜6回の照射が必要となります。個人差はありますが、約一年は完了までにかかります。
「美容脱毛」は、エステティックサロンでも受けることができる施術です。使用に際して資格や免許の必要がない照射出力の弱い光脱毛器で毛根にダメージを与え、一時的に成長を遅らせます。毛母細胞を破壊することはありません。永久脱毛ではなく「減毛・抑毛」になります。医療脱毛に比べ照射力が優しいため、肌が弱い方でも受けやすい施術になりますが、効果実感を得るのには、10〜15回、2〜3年かかるといわれています。
自己処理の面倒から解放される医療脱毛
ホームユースの脱毛専用機器もここ数年で急速に進化しました。照射パワーや冷却機能が格段にアップ。他者に見られることもなく、いつでも自分のタイミングでケアできる、コスパが良いなどメリットもたくさんあります。完全に毛が生えなくなることはありませんが、継続使用で効果実感も得られるはずです。
もちろん、家庭用脱毛器を使わずとも叶うのが「剃る」と「抜く」。自己処理脱毛として最も手軽で広く使われてきた方法です。ですが、なんと一週間に1回、10分脱毛に時間を使ったら、16歳から65歳までに、何と16.2日を脱毛のためだけに時間を費やすことになります。これはあくまでも計算上ですが、医療機関での永久脱毛には見た目の美しさだけでなく、「脱毛に時間を使わなくて済む」「自己処理の面倒から解放される」「自己処理による肌トラブルが起こらなくなる」などの利点があるのは事実です。
ちなみに、永久脱毛=完全に毛が生えてこない状態ではありません。脱毛後1ヶ月経った時点で、毛の再生率を20%にさせることを「永久脱毛」といいます。毛には「成長期」「退行期」「休止期」というサイクルがあります。医療脱毛とて、全ての毛にアプローチするには複数回の照射が必要というわけです。
医療脱毛、ハイジニーナだけは慎重に
医療脱毛は使用するレーザーの照射出力が非常に強いため、痛みも感じやすくなります。感じ方は人それぞれですが、最も痛みを感じやすいといわれるのは「VIO脱毛」です。デリケートゾーンは皮膚が薄く骨が近いにも関わらず、毛が太く濃い、また毛量も密集しているためです。しかし、冷却装置がついた脱毛機を採用し、冷却剤の他に、麻酔剤も使用したりするため、耐えられない方はほとんどいません。
「VIO」のVはビキニライン、Iは陰部付近、Oは肛門周辺を指しますが、見た目を整えるだけでなく、ムレやニオイの軽減、雑菌の繁殖が抑えられる、水着やショーツからムダ毛がはみ出る心配がないなどメリットも多く、人気は高まるばかりです。しかし、二度と生えてこないからこそ、迷うのが「どこまで処置してどこを残すか」という点です。特にに「ハイジニーナ」は、40代、50代以降の場合、この先を考えて慎重に決断する必要があります。
「ハイジニーナ」とは、衛生を意味する英単語の「Hygiene(ハイジーン)」に由来する造語で、全ての毛を脱毛して、赤ちゃんのようにつるつるにしてしまうことです。若い世代は抵抗がなく、男性も施術を受ける方も増えている昨今ですが、あまり話題にならないのが40代以降のデリケートゾーンは若い頃と比較して見た目が変わってきてしまうこと。大陰唇、小陰唇、クリトリス、腟のどれもが萎縮して薄くなります。とくに大陰唇。若い頃はふっくらしていますが、閉経前後からしぼんだ感じになり、ひいてはたるんで垂れ下がることも。大陰唇の萎縮によって、クリトリスや小陰唇、腟があらわになり、新たな悩みになる方もいます。
黒ずみもあからさまに?
外陰部はもともとメラニン細胞が多いことも知っておきたいところです。赤ちゃんや子どもは、外陰部もおなかの延長のような肌色をしています。それがいつの間にか、くすみや黒ずみが出てきます。これは、摩擦によって皮膚がこすれることで周辺の肌の色よりも黒ずんでしまうためです。「間擦部位(かんさつぶい)」という専門用語もあります。外陰部のほかには、脇、ひじ・膝、ブラジャーのワイヤーで擦れてします乳房周辺、そしてショーツで擦れる鼠径(そけい)部や内側の付け根などもこれに当たります。とりわけ、皮膚の薄い外陰部は刺激に弱いところ。下着による摩擦に加えて、女性は生理用ナプキンやおりものシート、吸水シートなどによるこすれによっても色素沈着を起こしがちです。今までの自己処理によるカミソリ負けも黒ずみの大きな要因の一つです。剃るたびにラップ1枚分の厚さの肌を傷つけることになるからです。そしてハイジニーナ脱毛後は、この黒ずみも自ずとあからさまになります。
確かに、たるみも黒ずみも美容医療で改善することも可能ですが、万人に現実的とはいえません。
Vラインは少し残して、IラインとOラインを完全に脱毛し、「もっと整えてもいいな」と思えたら、ハイジニーナへ進む2段階脱毛も賢明な選択です。ハイジニーナ脱毛はデザインの変更が難しくなるため、慎重に検討を。施術途中で中断してしまうと、毛がまばらになってしまうこともあります。
将来に備え「介護脱毛」はマスト?
ここまでは「自分のため」の医療脱毛についてお伝えしてきましたが、近年、注目を集めている医療脱毛に「介護脱毛」があります。これは将来、介護される立場になったときに、第三者である介護者の負担とならないよう、あらかじめハイジニーナ脱毛をしておこうというもの。
確かに介護を受ける立場になったとき、ハイジニーナ脱毛をしておけば、排泄物が毛に付着することはありません。拭き取りが簡単になるため、世話してくれる方の負担軽減につながるといえます。もちろん、本人にとっても清潔な状態を保ちやすくなるので、炎症・感染症などの予防にもつながります。これからますます高齢化が進み、介護脱毛を受ける方は増えていくと予想されますが、すでにハイジニーナ脱毛を済ませておくことが「マナー」のようになってしまう風潮はいかがなものでしょうか。
実際、現段階の介護の現場では「そこまでの必要性を感じない」という意見もあるようです。年齢を重ねて若い頃のようにアンダーヘアが濃く、毛髪量も多いとう人はそれほどいないからです。女性は閉経するとホルモンの関係もあり、アンダーヘアの量は確実に減少し、毛自体も細くなります。残念ながら、頭髪のボリュームがなくなり、細くなるのと同じ原理です。
とはいえ、自分のアンダーヘアを観察して、決断は白毛が目立つ前に行うことが妥当といえそうです。それは脱毛レーザーが、白くなってしまった毛には反応しないためです。
「フェムケア」ですこやかに美しく
いかがでしたか?今回はなかなか人には聞きづらい、「VIO脱毛」に的を絞ってお伝えしました。VIO脱毛によって「フェムケア」がとても簡単になるのも、また事実です。「フェムケア」とは「Feminine(女性)」と「Care(ケア)」を掛け合わせた言葉で、女性特有の体の健康やライフステージに合わせた製品やサービス、およびそれらによって行われるセルフケア全般を指します。VIO脱毛でデリケートゾーンが洗いやすくなるのはもちろん、保湿もしやすくなります。体の皮膚は一枚の皮でつながっているため、デリケートゾーンも顔と同じく、しっかりとうるおいを与えることで新陳代謝、ターンオーバーが促進され、色素沈着も起こりにくくなるのです。自分自身の体の一部でありながら、じっくりと見たり、ケアを意識したりすることの少ないデリケートゾーン。現在と未来にほんの少しだけ思いを巡らせながら、まずはチェックから始めてみるのもいいかもしれません。「フェムケア」とは、自分自身を大切にすることにつながるのですから。