夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!

新型コロナ対策で手洗いや消毒が欠かせない日々が続いて早半年。湿度が高い夏だというのに、例年になく手肌に乾きや荒れを感じている方も多いのではないでしょうか?実際、過度な手洗いは手の乾燥を招き、夏は紫外線のダメージも加わります。新しい生活様式の中で、どのようにして大切な手を守っていけば良いのでしょうか?夏こそ油断は禁物です。今必要なハンドケアについてお知らせします。

 

手洗いやアルコール消毒で手荒れが進行?

夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!

今はどこに行っても「手洗い」「消毒」が徹底されています。ショッピングモールなどでは、モール内の店舗ごとにアルコール消毒液が用意されています。消毒したばかりでもスルーはしづらく、「念には念を」の気持ちもあって、再び消毒してしまう…。もちろんその行いは正しいこと。とはいえ、せっけんや消毒液は細菌やウイルスを退治できるほどです。肌には少なからず刺激があるのです。

実際、洗えば洗うほど、消毒をすればするほど、手肌は乾燥していきます。手洗いの度に皮脂が洗い流され、肌内部の水分や保湿因子が流出しやすくなるからです。アルコールは速乾性が強く、揮発するときに水分や皮脂を一緒に蒸発させてしまいます。ちなみに顔がオイリーでも手がオイリーという人はまずいません。手は皮脂腺が少ないからです。そのため皮脂膜も薄く、バリア機能も強くありません。手のひらにおいては汗腺しかありません。つまり、新しい生活様式は、もともと乾燥しやすい部位の手にとっては過酷な状況にあるのです。

手洗いの後、すぐに消毒液を使う必要はあるの?

夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!

自らバリア機能を抑え込んでいるともいえるコロナ禍の手洗い・消毒。よく見受けられるのは、手を洗った後にも消毒をする行為です。

【手洗い後の残存ウィルス】

手洗い 残存ウィルス
手洗いなし 約100万個
せっけんやハンドソープで10秒もみ洗い後
流水で15秒すすぐ
1回 約0.01%
2回繰り返す 約0.0001%

(森功次他:『感染症学雑誌』より抜粋)

上の表は、厚生労働省のHPより引用したものですが、手や指についたウイルスは流水による15秒の手洗いで1/100に、せっけんやハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐと1万分の1に減らせると報告されています。このことからも、アルコール消毒は手洗いがすぐにできない状況でのお助けアイテムであることが分かります。基本的には、手洗いと消毒はセットで考える必要はないのです。ただし、せっけんがなくて水洗いしかできないといった状況では、アルコール消毒は必須と覚えておくべきでしょう。

手の乾燥には紫外線と冷房も関係する!

手は顔よりも年齢が表れやすく、顔と比べると10歳早く年を取るともいわれています。原因は「乾燥」「血行不良」「紫外線」です。顔のエイジングの原因と同じですが、中でも怠りがちなのが、紫外線対策です。手にも顔と同様に日焼け止めを塗っていますか?腕には塗るけれど、手の甲には塗らないという方も多いのではないでしょうか。「塗っても、手を洗ったら終わり」という声も聞こえてきそうですね。確かにその通りなのですが、手洗いや消毒でバリア機能が弱っているところに、紫外線のダメージが重なると…、細胞に傷が付き、さらなる乾燥を招いてターンオーバーにも悪影響を与えてしまいます。

また、実は「冷房」も手に影響を与えます。エアコンが効いた部屋の空気は思いのほかカラカラです。湿度が40%だったら、真冬の湿度とほぼ同じ状態。さらに室内の温度が下がることで手が冷えれば、血流も悪化。夏だからと油断できないことがたくさんあります。

感染対策による手荒れを乗り切るケアとは?

夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!

このように、私たちの手がコロナ禍でどのような状態にあるのかを丁寧に見ていくと、ハンドケアの必要性がよく分かります。「ベタつくのが嫌だから」と、夏はノーケアという方もいるかもしれませんが、ハンドクリームの使用感もどんどん進化しています。洗うだけ、消毒するだけでは、手肌のエイジングは加速してしまうことを理解しておきましょう。

1. 水洗いはNG。必ずせっけんやハンドソープを使って洗う

すっかり習慣がついた丁寧な手洗い。徹底して対策を取りたい場合は、アルコールスプレーを持ち歩いて、玄関の外での消毒をして家に入るのが理想です。

なかなかそこまではできないという方も、自宅に戻ったら手洗いが最優先事項です。着替えや荷物の整理は後回しに。

【手洗いのポイント】

①ハンドソープやせっけんを使って、最低でも10秒を目安にもみ洗い。誰もが知っている「ハッピーバースデー」の曲は、だいたい10秒です。

②洗い流しは15秒以上かけて 、しっかりとすすぎます。

③できれば2度洗いを!そうすることで、アルコール消毒をしなくても、0.0001%まで残存ウイルスを除去できると報告されています。

④拭き取りは十分に。手に水分が残っているとその水分が蒸発するときに乾燥が進んでしまうからです。皮膚を傷付けないために、軽く押さえるようにして拭きましょう。

 

ここで改めて推奨される手の洗い方についておさらいしてみましょう。覚えてしまえばとても簡単ですが、ウィルスを残さない確実な方法は、この手洗いなのです。

【ウィルスを残さない確実な手洗い方法】

夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!まず手指を流水ですすぐ。
夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!せっけん液を適量手のひらに受け取る。
夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!手のひらと手のひらをすり合わせてよく泡立てる。
夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!手の甲をもう片方の手のひらでもみ洗う。(両手とも)
夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!指を組んで両手の指の間をもみ洗う。
夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!親指をもう片方の手で包みもみ洗う。(両手とも)
夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!指先でもう片方の手のひらでもみ洗う。(両手とも)
夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!両手首まで丁寧にもみ洗う。
夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!流水でよくすすぐ。

2. 手洗いの後は消毒ではなくて、ハンドクリーム

夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!

手洗いによって奪われてしまう皮脂や保湿因子。洗った後は補うケアが必要です。「手洗い」と「消毒」がセットなのではなく、「手洗い」と「保湿」がセットなのです。そこでうるおいをしっかり補給でき、夏でも使いやすいテクスチャーで、子どもから大人まで家族全員で使用可能なハンドクリームであれば、なお安心ですね。そしてコロナ禍では、短期間で使い切れる容量の少ないものを選ぶのもポイントです。接触部位が少ないチューブタイプなら、菌が増殖する心配もさほどありません。

ハンドクリームは手の甲だけでなく、指先までしっかり塗るようにしましょう。皮膚をしっかり保護するような、撥水効果のある膜をはるタイプや外出のときは、プラス日やけ止め効果のあるタイプもおすすめです。紫外線ダメージを受けてしまうと、リカバリーが大変なのは、手も顔も同じです。

ハンドクリームQ&A

ここでは、ハンドクリームに関わる質問とその回答をQ&A形式にてご紹介しましょう。

【Q1】日焼け止め効果のあるハンドクリームの選び方。SPFやPAは?

【A1】

せっけんで手を洗えば、ハンドクリームは流れ落ちてしまいます。コロナ禍にあって、5〜6時間も手を洗わない生活は考えにくい今、ハンドクリームの日焼け止め効果はSPF値もPA値も高くする意味がありません。強い日差しに当たり続けない限り、まめに塗り直すことが効果的といえます。UVカットグローブも活用したいアイテムです。

【Q1】ハンドクリームとボディクリームの違いは?

【A1】

一般的には、成分に大きな差がはないのですが、それぞれ各メーカー独自の特徴を持たせた製品を開発しています。

どのメーカーの製品であっても、ハンドクリームとボディクリームの主な相違は、肌に触れたときのテクスチャーや使用感です。ハンドクリームは皮膚にしっかり密着し耐水性を持たせるために油分を多くして粘度を高くする必要があります。よく使われるのはグリセリン。人間の脂質と似た成分で、粘り気を持ち、水分を抱え込む力に優れた成分です。一方のボディクリームは「伸び」が重視されます。油分は控えめです。

【Q1】手荒れがひどくて、ハンドクリームに刺激を感じるときは?

【A1】

刺激を感じるということは、バリア機能が衰え、肌の奥まで刺激が伝わりやすくなっているということです。使用を一旦中止してみましょう。痒みや痛み、ひび割れなどがある場合は、皮膚科を受診するのがベストです。痛みを伴う手荒れに重宝するのは、病院での治療にも使われる皮膚の保護剤「ワセリン」です。ハンドクリームとして製品化されているものではないので、ベタつきはありますが、改善には適した成分を持ちます。

3. アルコール消毒はすり込んでこその効果

夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!

アルコール消毒剤は、手指全体にムラなく行きわたらせる必要があります。適切な量を取って手のひらや手の甲はもちろん、指の間や指先までまんべんなくすり込みましょう。手首にもです。すり込む目安としては30秒くらい。消毒剤がしっかり乾くまですり込みます。ポンプ半押しの少量使いで、ササッと行きわたらせるだけでは、効果は期待できません。購入する時は、アルコールの濃度もチェック。最低でもアルコール分60%、ウイルスの膜を壊して無毒化するには、70%〜95%以下のものを選んでください。

4. ホームケアでは「ながらケア」「マッサージ」「パック」

夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!

「ながらケア」というのは、朝夜のスキンケアの際に、手のひらに残った化粧水や美容液、ゲル、クリームを手の甲に馴染ませてあげること。そして、5分の時間をつくって習慣にしたいのが「ハンドマッサージ」です。ゆっくりと疲れた手を優しくいたわるように行います。さらに時間があるときにおすすめなのが「ハンドパック」です。手がモチモチになりますよ。「いろいろやるのは面倒!」という方は、睡眠中のハンドグローブもおすすめです。ハンドクリームをなじませてコットンの手袋をはめて眠るだけのお手頃なケア。翌朝はしっとりとうるおいを感じられます。

【手の疲れも取れるハンドマッサージ】

ハンドクリームを手全体になじませる。少し多めにつけるとマッサージの滑りがよくなる。
指の間のすじをもう片方の親指と人さし指の第二関節ではさむ。気持ちいい強さで指先方向に向かって引き上げる。
夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!指のつけ根から指先まで、くるくるともう片方の指を回しながらクリームをなじませる。
片方の人さし指と中指で指をはさむ。1本ずつ気持ちいいと感じる強さで。指で根元から指先に向けて引っ張る。
爪の根元の角2点と中央をやさしく片方の指でプッシュ。血行がよくなります。
夏のハンドケア。コロナ禍だからこそ保湿力を強化!手のひらのツボを片方の指で押す。

手のひらをまんべんなく押した後、親指と人さし指の間を少し強めにプッシュしてハンドマッサージ終了です。

さらに、スペシャルケアとして取り入れたいハンドパックもご紹介しましょう。

【しっとりもちもちのハンドパック】
①化粧水を手の甲になじませる。
②ハンドクリームを塗り「ラップ」か「使い捨てビニール手袋」を付ける。
③5~10分置く。
④濡れタオルで拭き取る。
⑤薄くハンドクリームをつけて終了。

 

【動画美容講習①】サロン発!乾燥知らずのツボ押しハンドケア』では、動画にご一緒にハンドケアを行っていただけます。

新たなビューティースタンダードのハンドケア

いかがでしたか?新型コロナ対策を行っていく中で、新たなビューティースタンダードとして見直していきたいハンドケア。お手入れが十分にできていると、毎日の手洗いや消毒のダメージも最小限に抑えることができます。秋になってガサガサの手に慌てないためにも、夏のうちにしっかりと保湿力を高めておきましょう。

参考

https://www.mhlw.go.jp

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