むしり取っていない?「ささくれ」の正しい対処法

ふと指先に目をやると、いつの間にか出来ている「ささくれ」。見た目の残念さはもちろん、ニットやストッキングに引っかかったり、無理にむしったりすると血が滲んだり。気が滅入る痛みまであって、傷は小さくても、なかなかやっかいなものです。「小爪」と呼ばれるささくれのある手でスキンケアを行えば、肌を傷つけてしまうこともあります。早め早めのケアで、ささくれのない、すこやかで美しい手指を手に入れましょう。ささくれの原因から正しい対処法までご紹介します。

 

ささくれは2種類。

指先の美しさを台無しにしてしまうささくれ。まずささくれは2種類あるという話から。ひとつは爪の根元にできる「皮膚のささくれ」、もうひとつは爪の横にできる「爪のささくれ」です。違いはできる場所だけではなく、ささくれ自体の質感や生え方も異なります。また、小さなささくれであっても痛みを感じやすいのは、爪のまわりは知覚神経が集中しているからです。

【皮膚のささくれ】

むしり取っていない?「ささくれ」の正しい対処法

表皮が破れてめくれるもの。薄くて柔らかいことがほとんどですが、例外として分厚くめくれる場合もあります。むしることが癖となって分厚いめくれの範囲が広くなると、爪を根元で支えている後爪郭(こうそうかく)に相当なダメージを与えてしまいます。後爪郭は爪を固定し、爪母を守り、爪の均一な成長を助ける大切な部位です。

【爪のささくれ】

一見、硬くなった皮膚のように見えますが、爪の横にできるささくれは皮膚ではなくれっきとした爪です。爪の端が細く縦に裂けたささくれで「小爪(こづめ)」とも呼ばれます。

ささくれができる2大要因

ささくれができる原因は、環境や手を使うことによる外的要因と、栄養バランスや血行不良などの内的要因に分かれます。

【外的要因】

「乾燥」はささくれの一番の原因です。冬にささくれができやすいのも、空気がカラカラだから。手指の皮膚も水分が失われ、少しの刺激や摩擦でもささくれができやすくなってしまいます。季節に関係なくアルコール消毒による脱脂や、水仕事や家事洗剤での手荒れ、除光液を頻繁に使うことなども手指の乾燥につながりささくれに直結します。段ボールや紙類にふれる機会の多い生活環境も指先の乾燥につながります。 加えて、指先は日常生活で頻繁に使う部位なので、指先に外圧がかかります。スマートフォンの画面やPCのキーボードのタップも指先にとっては外圧。爪の周りの皮膚が硬い爪にぶつかって衝撃を受け、ささくれの元になってしまうのです。スマートフォンのタッチでよく使う親指や人差し指、中指にささくれができやすくなっていませんか。

【内的要因】

ささくれがいくつもできるときは要注意。体からのシグナルです。考えられるのは、偏った食生活、睡眠不足、ダイエットやストレスなど。とくに寒い季節は栄養のバランスが良くても血行不良も起こりがちです。指先の細胞にまで栄養が十分に行き渡らなければ、皮膚のバリア機能も低下してしまいます。なかでもささくれの原因は、タンパク質不足が考えられます。

ささくれのケア。絶対にやってはいけないこと

つい引っ張ったり、剥がしたくなってしまったりするささくれ。引っ張ることがクセになって、自らどんどんささくれをつくってしまっている方もいます。また、ささくれを放置することはめくれが大きくなったり、繊維に引っかかってキズ口を広げてしまったりする可能性があるので処置が必要です。しかし、無理な引っ張りや剥がしは御法度。ささくれ部分だけでなく、健康な皮膚まで傷つけてしまいます。傷が広がったり、深くなったりして、血を出してしまったという方は少なくはないはず。

皮膚のささくれも、爪のささくれも小さなものですが、ばい菌が入って、腫れるなどの炎症を起こすこともあります。さらに膿が溜まって「皮膚周囲炎」へと進行してしまうことも。特に爪のささくれは、根本はつながって爪として生えているので抜けにくく、無理やり引き抜くと根元の傷は深くなり、化膿するリスクもそれだけ高まってしまうことを覚えておきましょう。

むしり取っていない?「ささくれ」の正しい対処法

安全な取り方、何はともあれまずカット

むしり取っていない?「ささくれ」の正しい対処法

ささくれは抜くものではなく、切るものです。ささくれができたらすぐに根元からカットしてしまうことで、悪化を防ぐことができます。見た目も気にならなくなり、ついいじってしまうことも避けられます。
カットに使用するのは、キューティクルニッパー、眉用ハサミ、爪切りなどです。ささくれカット専用の道具もあります。「わざわざ道具を用意しないといけないの?」と思われるかもしれませんが、ささくれがキレイに取れたときのスッキリ感はなかなかのもの。専用のツールを用意しておくのも一考です。

むしり取っていない?「ささくれ」の正しい対処法

まずは、手を洗い、刃先を軽くささくれの根元に押し当てるようにして、引っ掛かりが残らないギリギリでカットします。爪のささくれは1分くらい指先をお湯につけると柔らかくなり切りやすくなります。お風呂上がりならなおさら水分で柔らかくなっているので処理しやすいですね。

傷がある場合はまず薬、傷がなければ保湿

カットが済んだら、傷がある場合は傷薬を。「モイストヒーリング」タイプの絆創膏もおすすめです。モイストヒーリングは患部を湿ったまま密封する傷ケア法。細胞の成長や再生を促す成分が含まれる体液を傷口に保持することで、人間が本来持っている自然治癒力を引き出すという療法です。
傷がない場合はスキンケアパームやハンドクリーム、保湿力の高いフェース用のフィニッシングクリームでも代用できるので、これらを使用して十分に保湿します。さっと全体的に塗るのではなく、爪のまわりから爪の上にかけて、指先に向かって指1本1本、丁寧に塗りましょう。逆向きは、せっかくカットしたささくれを逆撫でることになります。

小爪にはオイルケアもおすすめ

むしり取っていない?「ささくれ」の正しい対処法

保湿方法としてはオイルもおすすめです。クリームもオイルも同じ油性のアイテムですが、バリア機能が高く潤いの膜で手肌全体を乾燥から守ってくれるのがハンドクリーム。爪や爪の生え際の乾燥を防いで、爪の成長をサポートしてくれるのがネイルオイルになります。

爪のささくれ「小爪」にオイルは強い味方になります。爪の生え際と爪の両サイドにちょんちょんと乗せて、指先に向かって馴染ませながら揉み込みましょう。手を洗ったら、ネイルオフをしたら、外出前、お風呂上がり、寝る前などなど、いつでも一日に何度塗ってもOKです。なるべく小まめに塗布して、乾燥させないことが大切です。クリームと併用する場合は、オイルの後にクリームを使用しましょう。

普段の何気ない行為の見直しを!

ささくれの予防としては、いちばんの原因である「乾燥」を防ぐことが最優先です。お手入れの効果を高めるためにも、以下の乾燥予防もぜひ取り入れてみてください。

【手指の乾燥予防法】
・水仕事にはゴム手袋を使う
・手を洗ったらしっかり水分を拭き取る
・熱いお湯の使用に気をつける
・部屋の乾燥を防ぐ
・寒いうちは手袋をして出かける
・ケア用の手袋をして寝る
・作業には軍手や指サックを使う

 

また、普段の無意識のアクションが外的要因の刺激となって、ささくれを引き起こしていることもあります。心当たりがあったら意識して改善を。

【ささくれを引き起こす外的要因】
・不必要に別の指の腹で爪のまわりを触っている
・スマートフォンを使い過ぎている
・無意識に指先で机やテーブルをトントンと叩くような癖

食生活はタンパク質不足に気をつけて

ささくれができる原因のところで触れましたが、栄養不足もささくれに直結します。なかでもタンパク質は皮膚のささくれにも爪のささくれにも必須の栄養素。十分に摂れていますか。

【タンパク質】

皮膚の健康な状態を維持するのに必須の栄養素。爪もタンパク質からつくられています。不足すると、二枚爪にもなりやすくなります。肉、魚、卵、豆類、乳製品などの良質なタンパク質を取るように心がけましょう。タンパク質を生成には葉酸も必要です。葉酸はレバーや緑黄色野菜に多く含まれています。

【ビタミンA】 

むしり取っていない?「ささくれ」の正しい対処法

皮膚の新陳代謝を活性化させ、潤いを保つのに必要なビタミンです。爪を作るケラチンの形成にも欠かせません。不足すると爪が乾燥しやすくなり、爪の割れにつながります。ホウレン草やニンジンなどの緑黄色野菜、うなぎ、レバーなどに多く含まれています。

【ビタミンE】

血行改善作用があり血流を良くしてくれます。アーモンド、ヘーゼルナッツ、ツナ、いわし、卵などに多く含まれます。

【ビオチン】

むしり取っていない?「ささくれ」の正しい対処法

ビタミンの一つ「ビオチン」も健康的な爪を保つには重要な栄養素であることがわかってきました。まがれい、鰹節、あさり、あんこう(肝)、ししゃも、バターピーナッツ、カシューナッツ、ごま、アーモンド、レバーや卵黄、海苔などの海藻類に含まれています。ただし水溶性ビタミンのため、朝、昼、夜でバランスよく摂取することが大切です。一度にたくさん摂取しても体外に排出されてしまいます。

ささくれは、気にかけて、手をかけて!

いかがでしたか?ささくれの原因や予防アイテムについてご紹介しました。春到来ですが、湿度が上がってくるのはまだまだ先です。ささくれができたらすぐに根元からカットして悪化をさせないようにすること、その後もしっかり保湿ケアをして乾燥状態にしないことを心がけましょう。まずは手指を気にかけてあげること、そしてほんの少しの手をかけてあげることが大切です。日々のケアでささくれに悩まされない指先をキープしていきましょう。

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