医師が語る1日30分のウォーキングが心と体にいい7つの理由

だんだんと秋の到来を感じられるようになってきたこの頃、店頭には秋の味覚が溢れ、まさに「食欲の秋」を満喫している方も多いのではないでしょうか?でも、気になるのは、増えつつある体重。「美味しいものをたくさん食べたい、でも動くのは面倒。ジムに行く時間もないし…」と永遠のジレンマを抱えている方にこそ、「ウォーキング」です。医師が語る一日30分のウォーキングが心と体にいい7つの理由をお知らせします。

一日30分の散歩で医者いらず

医師が語る1日30分のウォーキングが心と体にいい7つの理由

アメリカには「一日1個のりんごで医者いらず」という諺があるのですが、「一日30分の散歩で医者いらず」といっても過言ではないほど、ウォーキングは健康維持に役立ちます。『The Doctor on Demand Diet』の著者、メリーナ B.ジャムポリス医師は、その理由を説明しています。「ウォーキングは私が大半の患者にすすめる一番のエクササイズです。とても簡単で、スニーカー以外はなにも準備をする必要がなく、精神的にも肉体的にも非常に大きなメリットがあるからです」。

ウォーキングのメリットには、もちろん美容効果も含まれています。そうとはいえ、日光は肌の大敵でもあるため、歩く時間帯は紫外線が弱くなる早朝か夕方以降に行うのが賢明です。さらに、日焼け止めの準備も万全にしておきましょう。それでは、さまざまな医師が提唱するウォーキングの7つのメリットをご紹介します。

1)気分が向上する

医師が語る1日30分のウォーキングが心と体にいい7つの理由

「定期的なウォーキングは、神経系を調節してくれるので、怒りや敵意が静まる経験をするという研究結果が出ています」と、ジャムポリス医師。私たち女性は閉経を迎えるまで、たとえ健康であっても毎月体のバランスが乱れる時が1~2週間続きます。生理痛や偏頭痛に加えて、生理前のイライラや不安感などに困っている方も少なくはありません。私もその一人。そのような時に、ウォーキングは、確実に気分を上げてくれます。在宅仕事をしている私も、気分転換も兼ねて散歩を日課にしています。近所を30分程度歩くだけで、大分気分が良くなるのです。そして週に1回はグリフィスパーク(映画『ラ・ラ・ランド』の撮影にも使われた観光名所)にハイキングに行っています。

まずは週に1回からでもOK!「今日はなんだか体のバランスが崩れてるな」と感じた時に、軽い気持ちで歩き始めてみましょう。

2)カロリーを消費し体重を減らす

「歩き続けていると、体重計の数字があまり減っていなくても、パンツが緩くなったのに気づくかもしれません。定期的なウォーキングは、インスリンに対する体の反応を向上させる働きがあり、それがお腹周りの脂肪を燃焼するのを助けるためです」と、ジャムポリス医師は指摘しています。気になるお腹周りが引き締まる可能性があると聞いたら、俄然やる気が出てきますよね?私自身はあまりその成果は出ていないので残念ですが、もう何年も体重が増えていないのは、ウォーキングのおかげでもありそうです。

ちなみにインスリンは膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンで、血糖値を調整しています。血糖値が高くなった時にインスリンの分泌が増えることによって、血液中のブドウ糖が細胞に取り込まれ、血糖値が下がる仕組みです。逆にインスリンの働きが悪かったり、分泌が少なかったりすると、血糖値が高くなります。それが続くと、糖尿病になる可能性もあるのです。

また、全米に店舗を持つ大型スポーツクラブ「クランチジム」のパーソナルトレイナーであるアリエル・レイスボリさんは、会員の1人が、毎日3km以下の通勤の道のりを歩くだけで、1ヶ月間で体脂肪率を2%も下げたと証言。「毎日歩くことによって余分なカロリーを燃焼できるだけでなく、筋肉の減少を防ぐことで、新陳代謝が向上するからです。特に年齢を重ねると、筋肉が減るのを防ぐことはとても重要になりますね」。

3)糖尿病や脳卒中のリスクを減らす

米国糖尿病学会の報告によると、ウォーキングは血糖値を下げ、糖尿病のリスクを減らすとのこと。ボウルダーコロラド大学とテネシー大学の研究によると、定期的なウォーキングによって、最大で11も血圧が下ること、脳卒中のリスクが20〜40%下がる可能性があることが判明しました。

4)足の肌をキレイに保てる

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加齢と共に静脈瘤が起こって、足のふくらはぎなどに筋が浮き出るリスクが高まりますが、ウォーキングはこれを防止することもできるそう。ニューヨーク(NY)の「ザ・ヴェイン・トリートメント・センター」の創設者ルイス・ナヴァロ医師は、次のように説明しています。「静脈系には、ふくらはぎと足にある筋肉と静脈と静脈弁で形成された“第二の心臓”といわれる血液循環器官も含まれています。この静脈系が、血液を心臓と肺に押し戻す働きをしています。そしてウォーキングで足の筋肉が保持され、強くなることによって、この第二の血液循環器官が強化されます。すると、血流が良くなるのです」。

5)消化力が向上する

定期的なウォーキングは「お通じ問題」まで解決してくれるかもしれません。「米国ガン治療センター」のタラ・アライチャミー医師は「腹部手術をした患者が真っ先にやるようにいわれるのは、歩くことです。ウォーキングは腹筋と体幹の筋肉を使うので、腸の働きを促すのです」と説明しています。

6)よりよく眠れるようになる

日常的に歩くようになると、夜よく眠れるようになります。ウォーキングが、睡眠ホルモンであるメラトニンの効果を高めるためです。『スリープ』誌の研究によると、ウォーキングのような軽め~中程度のエクササイズを行っている更年期の女性たちは、動かない女性たちよりもよりよく眠ることができるそう。さらにウォーキングは、睡眠を妨害するストレスや体の痛みを軽減するのにも役立ちます。ご存知の通り、質の高い睡眠はすこやかな肌をつくります。つまり、ウォーキングは「いいこと尽くし」というわけです。

7)創造力が溢れ出す

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私は原稿を書いていて、アイデアが出てこなくなってしまった時もなるべく歩くようにしているのですが、ウォーキングは気分転換になると同時に創造性も高めてくれるようです。 「創造的な思考テストを座ったまま受けた結果と歩きながら受けた結果を比較したところ、歩いた時の方がより創造的な考え方をするという研究結果が発表されています」と、ジャムポリス医師。アイデアが煮詰まった時に歩くのは、やはり良いことだったのですね。悩みごとや考えごとがある時も、とりあえず歩いてみると、気分が良くなってストレス解消になるだけでなく、何か新しい解決策が見つかるかもしれません。

ウォーキングを日常的に続ける秘訣

これだけ心にも体にも良い効果が得られるウォーキング。「私もやってみようかな?」と思えてきたのではありませんか?ストレスケアの記事にもありましたが、日光を浴びることによって、健康に不可欠なビタミンBが生成されます。どうせ歩くのなら、室内のトレッドミルではなく外を歩いてみませんか?最初に記したように、肌のためには時間を選んで日差しの弱い時間帯にウォーキングすることが大切ですが、太陽の下を歩くことによって、さらに免疫力が上がり、ストレスが減り、結果的には美肌にも繋がります。心も体も肌も美しくなるウォーキング、ここで実際にウォーキングし、続けていくための秘訣を紹介しましょう。

ウォーキングは誰かと一緒に

医師が語る1日30分のウォーキングが心と体にいい7つの理由

どのようなエクササイズにもいえることですが、一人で行うよりも誰かと一緒に行う方が、怠け心を抑えられるもの。私自身、ハイキングは友人と行くようにしています。実はLA(ロサンゼルス)近郊ではハイキング中に行方不明になった人の捜索願が出されるニュースも見かけるので(山中のハイキングトレイルでは携帯の電波が届かない所が多々あります)、安全のためでもあるのですが、一番の理由はモチベーションを維持するため。前述のジャムポリス医師によると、友人やパートナーと一緒に歩くと、その間の交流によって人とのつながりを感じ、それが気分を上げてくれることにもなるそうです。

ウォーキング・アプリを利用する

誰かと一緒に歩く時間や機会がなかなか取れない方や一人で歩くのが好きな方にも最適な方法があります。それは「ウォーキング・アプリ」を利用すること。毎日歩いた距離と歩数を確認し、記録することによって「今日は前回よりも長く歩けた」とやる気が高まります。それぞれのニーズによって、よりモチベーションを高められる無料アプリがたくさんあるのでご紹介します。

「歩数計++(Pedometer++)」

「歩数計++」というそのままズバリの名前のアプリ(iPhone/アンドロイド対応)。歩数と移動距離を計測してくれるだけではなく、「設定」ページで、毎日の歩数の目標を設定することにより、それを達成したかどうかが一目で分かるようになっています。多くのアプリやフィットネスに関する記事では、理想的な歩数は1万歩。

私はハイキングに行く時は1万歩を目標にしていますが、1万歩達成した時は6km以上歩いていました。時間にすると1時間以上、かなりの長さです。一日30分のエクササイズに必要なのは、5000歩で充分。まずは自分ができそうな歩数を設定してみてください。そして「達成」ページでは、毎月どれ位目標を達成したか分かるので、月単位でやる気を高めてくれます。また、このアプリではGPS機能は使われないので、スマホのバッテリーを余計に消費しないというメリットもあります。

「ウォークメーター・ウォーキング&ハイキング(Walkmeter Walking & Hiking)」

「ウォークメーター・ウォーキング&ハイキング(Walkmeter Walking & Hiking)」は、歩数と距離だけでなく、歩いた時間と通った場所、高度、そして歩行スピードなどGPS機能を使って記録できるアプリ(iPhone/アンドロイド対応)。歩く距離を伸ばしたい、速めの速度でウォーキングをしたいという方に最適です。トレーニングプランでは、5K、10K、ハーフマラソン、マラソンに挑戦するプランが立てられます。また、ヴォイス機能がついていて、イヤホンのマイクでウォーキングの開始と終わりを告げてアプリを起動・終了できます。

この他にもさまざまな無料ウォーキングアプリがありますので、いくつか試してあなたに合うものを見つけてみてください。

日々のウォーキングで私が得たもの

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私は子どもの頃から運動が大の苦手で、痩せたい時はご飯を減らすことしか考えていませんでした。それで夏前になると、いつも不健康なダイエットに挑戦しては、リバウンドを繰り返していました。ダイエットだけでなく健康にとってもエクササイズが大事なのは頭で分かっていても、どうしても運動する気になれなかったのです。それは、エクササイズという言葉を聞いただけで、運動嫌いにとっては高い壁が目前にそびえ立っているような気分になるからだと思います。

ウォーキングを始めた理由は、エクササイズではありませんでした。在宅仕事で日光に当たらない日々を過ごしていると気分が塞ぎがちになるからです。前述したように、歩く度に必ず気分が上がることに気付き、楽しみながら続けていくうちに、加齢とともに減ってしまったと思っていた体力も少しずつ戻ってくるのを感じました。運動せずに脂肪ばかりになっていた足の筋肉が強化されたからです。でも、太ももとふくらはぎに少し筋肉がついたのに、体重は増えていません。筋肉がついたことによって、新陳代謝が上がったからだと思っています。そして太もものセルライトも、見かけなくなりました。「ウォーキングって、実はすごいエクササイズなのではないか?」そう思っていたところ、調べてみると上記の7つのメリットのように、それを裏付ける情報がたくさん得られたのです。

毎日行けない週ももちろんありますが、続けることによって、自分に良いことを継続的に達成しているという小さな自信が得られます。ジム通いのように本格的なエクササイズでなくても、ウォーキングは立派な、本当に効果的なエクササイズ。体だけでなく心にも良い影響をもたらすものです。運動嫌いの私がこれを続けられたという自信は「別のことにも挑戦してみようかな」という前向きな気持ちにつながりました。

そのような理由で、日本に住む70代の母親にもしつこく毎日のウォーキングをすすめています。今のところ続けてくれているようで、「今朝も歩いた」という報告をもらうと、それだけでなんだか安心するものです。どこにいても、何歳でも、いつからでも始められるのがウォーキングの素晴らしいところ。山や公園など、自然のある場所を歩くとさらに気分が癒されますが、近所の散歩でも、通勤や通学では目を向ける時間のない道端の草花や空の様子を眺めながら歩くことで、ちょっとした喜びを得ることもできると思います。あなたも本当に気軽な気持ちで歩き始めてみて欲しいのです。歩きやすい靴を用意して、帽子と日焼け止めと水分補給だけは忘れず、無理をせずにトライしてみてくださいね。

参考文献

https://www.prevention.com/fitness/a20485587/benefits-from-walking-every-day/
https://www.verywellfit.com/pedometer-apps-to-get-you-moving-3434996
https://time.com/5597557/do-you-need-10000-steps-a-day/
https://www.nbcnews.com/better/health/why-walking-most-underrated-form-exercise-ncna797271

この記事を書いたライター

Beauty Lifestyle Writer

洋楽専門誌編集部に勤務したあと、1999年、カリフォルニア州ロサンゼルスに移住。フリーの音楽ライターとしてライナーノーツ執筆・取材・ライブレポートなどを数多くこなす。ファーマーズマーケットで仕入れる地元の食材を使ったナチュラルな生活と音楽ライブがエネルギーの源。

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