花粉対策はコレも!衣類以上に花粉が付く「髪の毛」

スギやヒノキの花粉が飛んでいます。2022年は北海道を除くほとんどの地域でシーズン中の飛散量が2,000個/㎠(シーズン中)を超えると予測されています。花粉症に対して十分な注意が必要とされる数値です。すでに対策をしている方も多いと思いますが、意外と盲点なのが「髪」。「髪は花粉の住みか」といっても過言ではありません。今回は、見落としがちな髪の花粉対策について紹介します。

 

髪の毛に花粉が付きやすい3つの理由

今や百花繚乱ともいえる花粉症対策グッズ。着るものを工夫しているという方は多いと思います。しかし花粉は体だけを目がけて飛んでくるわけではありません。髪の毛にも付着します。衣類の素材によっては、髪の毛の方が多いこともあるくらいです。

髪の毛に花粉が付きやすい理由は大きく3つ。1つ目は花粉の形と髪の構造の相性にあります。

花粉対策はコレも!衣類以上に花粉が付く「髪の毛」

左上がすこやかな髪、右上がダメージを受けた髪

スギの花粉もヒノキの花粉も形は球状です。空気の抵抗が少ないために、よく飛ぶ形です。しかしスギには大きな突起が一つ角の生えた球体のような形状で、ヒノキには小さな突起がまとわりついています。一方、上記画像のように髪の表面は魚のウロコのように重なり合ったキューティクルによって覆われています。すでに想像がつくと思いますが、花粉が付着した髪とは、「キューティクルのウロコに花粉の突起がひっかかった」そんな状態です。髪が傷んでキューティクルが乱れていたら、よりひっかかりやすくなります。

2つ目の理由は頭皮の皮脂の存在です。春先になって気温が上がれば、頭皮の皮脂は増え、花粉がより付きやすくなります。頭皮の皮脂は時間が経てば髪に移行しますから、この時期はたっぷり花粉を混ぜた状態で移行しているというわけです。ワックスやスプレーなどを使うと、付着する花粉の量はより増えてしまいます。

花粉シーズンの空気はまだまだ湿度が低く乾燥気味。静電気が発生しやすい状態です。静電気はチリやホコリとともに小さな花粉も引き寄せます。そこで3つ目の理由として考えられるのは、静電気が発生しやすくなる髪の毛の乾燥、体の水分や潤い不足、さらに衣類との摩擦です。室内の湿度が上がると、空気中の花粉が水分を含んで重くなり、床に落ちやすくなる効果も期待できるので、髪や肌の乾燥を進ませないためにも、室内では加湿器を活用したいものです。

取り入れたい髪への花粉対策

花粉対策はコレも!衣類以上に花粉が付く「髪の毛」

3つの理由から髪は花粉のたまり場だということがわかっていただけたと思います。しかも目や鼻に近い髪。花粉症の症状軽減には、もっと意識を向けるべき存在です。

1. 家に入る前に髪の花粉も落とす

帰宅したら家に入る前に花粉を落とすのは花粉症対策の基本です。実際、家の中に入ってくる花粉の4割は、衣服や髪への付着によるものといわれています。ところが衣服に付いた花粉は入念に落とそうとするのに、髪の毛はそこまで気をつけていないという方が少なくないようです。室内を花粉の保管庫にしないためにも、家に入る前に衣服だけでなく髪の毛からも花粉をしっかり払いましょう。

順番は髪→衣類。手で払う場合は、最後にその手も払います。顔を触るのは厳禁ですが、手で払うと舞い上がった花粉が顔に付いてしまうことがあります。ブラシでも取れますが、できればウェットシートや濡れタオルなどを活用するのがおすすめです。衣類用の粘着シートもありますが、髪にも使うとなるとウェットシートや濡れタオルが便利です。

2. 朝シャンはNG。夜も寝る前より、帰宅後すぐ

花粉は払い落とせる以外に、洗い落とすことができます。帰宅したら手を洗うのはもちろんですが、洗顔やシャンプーも帰宅後早いほど得策です。朝シャンが好きでも、花粉シーズンは夜シャンにスイッチ。朝の起きがけにひどい鼻水やくしゃみが出ることを「モーニングアタック」と呼びますが、寝ている間に髪からふとんや枕に落ちた花粉を吸い込むことも原因の一つといわれています。

3. 花粉を引き寄せないヘアケア

痛んだ髪、乾燥した髪はキューティクルがめくれて静電気を帯びやすくなり、花粉を引き寄せてしまいます。素髪のコンディションを良好に保つことは、花粉症対策の重要な要素の一つです。

●シャンプー前のブラッシングは不可欠

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シャンプー前のブラッシングは、静電気の溜まりにくい豚毛などの天然素材やや木製のクッションブラシを使用するのがおすすめです。プラスチックなどの帯電しやすい素材は静電気防止加工が施されたものを使うようにしたいですね。

「ブラッシングは省略」という人がいますが、髪のほつれを取り、花粉を落とし、皮脂汚れを浮き上がらせる大切なプロセスです。

●シャンプー前の湯洗いを忘れずに

多くの美容師さんが口を揃えるのが「シャンプー前の湯洗いが足りない」ということ。実はシャンプー剤をつける前の湯洗いで7〜8割の汚れは落とすことができます。裏を返せば、湯洗いが足りないために過剰に頭皮や髪を傷めてしまっていることも…。正しい湯洗いは時間にして1〜2分程。髪を濡らすのではなく、頭皮に指の腹を当ててマッサージしながら汚れや皮脂を落とします。お湯の温度は36度~38度がベターです。ちょっとぬるいくらいの温度ですが、頭皮は薄くてデリケート。40度を超えると乾燥しやすくなります。ただでさえ乾燥の激しい冬を耐えてきた頭皮はバリア機能が低下しがち。丁寧に扱ってあげてください。

●シャンプーの順番にも考慮を!

湯洗い後のシャンプーは、空気を含ませるようにしてしっかり泡立て、頭皮を丁寧に洗ったら、髪の根元、毛先へと泡をなじませていきます。髪同士をこすらないようにやさしく洗い上げるのがキューティクルを乱さないポイントです。キューティクルは少しの摩擦にも弱いことを忘れずに。トリートメントは頭皮にトリートメントが付かないように根元を避け、毛先から揉み込みます。

シャンプー後の濡れた髪はキューティクルが開いた状態です。清潔なタオルに水気を十分吸い取らせてから、ドライヤーで根元からしっかり乾かします。洗い流さないタイプのトリートメントなども味方に、花粉の突起がキューティクルにひっかからないよう整えることを心がけましょう。

花粉症対策につながるスタイリング

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ロングヘアとショートヘア。ダウンスタイルの状態では、表面積の大きいロングヘアの方が花粉の付着量は多くなります。しかし、ショートヘアであってもパーマでふんわりさせたスタイルの場合は、それだけ花粉は付きやすくなります。また風になびく髪は、花粉に「このキューティクルのウロコに止まれ」と誘っているようなもの。ヘアスタイルが限定されてしまうと懸念されますが、特に花粉の季節限定と割り切り、髪に付く花粉を最小限に抑えるには「コンパクトにまとめること」と「静電気を起こさないこと」の2点を心がけてください。

1. 顔周りはすっきり

髪に付く花粉を減らすには、髪をできるだけタイトにまとめて花粉が入り込むスペースをつくらないことがポイントです。目にかかる前髪や顔周りに落ちるおくれ毛も、花粉を顔の近くに呼び寄せる原因になります。この時期は潔く顔を出して、目や鼻から花粉を少しでも遠ざけましょう。

2. 毛先までまとめる

長い髪もひとつに束ねれば、髪同士の摩擦が減るので静電気が起こりにくくなり、花粉が付く面積は確かに小さくなります。ただしひとつにまとめるだけでは、厳密には不十分です。風が吹けば、毛先が舞ってしまうから。花粉の呼び込みを減らすには、毛先までしまい込むことが必要です。とはいえ、花粉の季節を「地味なまとめ髪」で過ごすのはストレスもたまります。そこでおすすめなのが、大人可愛らしい印象で花粉症対策もできる「ギブソンタック」。前髪と両サイドの髪をリバース(外側)に巻いて、後ろで内側に丸めるスタイルです。

3. カラーやパーマは控え、スタイリング剤は厳選

カラーやパーマは髪にダメージを与え、静電気を発生させる原因にもなります。飛散のピークが過ぎるまで控えた方が賢い選択といえそう。また、ウェッティなスタイリング剤やスプレーも付着する花粉の量を増やしてしまうので、使わないか、もしくはドライな仕上がりのものを選びましょう。

4. 帽子をかぶるときも髪はまとめる

前髪やサイドの髪を抑えることができる帽子は、花粉症の味方です。このときもロングの場合はダウンスタイルにせず、まとめた髪を帽子の中に収めるようにするとより効果的です。ツバが広いデザインは顔も花粉から守ってくれます。花粉が付くのを防ぐハイテク帽子もありますが、衣類用のガードスプレーも有効です。

犬の毛も構造は人間と同じ!?

花粉対策はコレも!衣類以上に花粉が付く「髪の毛」

髪の毛と花粉の関係や、花粉による影響を防ぐポイントについてご紹介してきましたが、室内犬を飼っている方への対策もお知らせします。花粉は犬の体毛にもしっかり付着します。頭、背中、お腹側の毛にも。なぜなら犬の毛も人間の髪の毛と構造が同じで、表面はキューティクルに覆われているからです。

お散歩の後、犬の足だけ拭いて、そのまま室内に入れている方が多いと思いますが、実はこれは家の中に花粉を巻き散らしてしまう可能性があります。もちろんシャンプーをすれば洗い流されますが、犬のシャンプーの頻度は人のようにはいかないものです。花粉の付着を防ぐには、散歩のときに服を着せること。帰宅後は玄関先で脱がせて人間と同じようにウェットシートや濡れタオルなどを活用して全身を拭き取ることをおすすめします。ペット用の「ボディ拭き取り用ウェットシート」もあります。

また、犬の服は表面ができるだけなめらかな素材のものを。ニットや起毛素材は花粉が付着しやすい素材です。そしてこまめに洗濯をするのが理想ですが、日々のケアは衣類用の粘着ローラーなどを使って花粉を落としておきます。花粉を吸い込まずに安心して犬をなでたり、すりすりしたりするためにも、ぜひ習慣にしておきたいですね。

花粉をつけない工夫を!

ただでさえ辛い花粉症。その症状をよりひどくしてしまいかねないのが髪に付着する花粉です。この時期はこまめな室内の掃除が必要ですが、室内に持ち込む花粉をいかに少なくできるかも、大切な花粉症対策です。「髪」を意識した対策を取ることで花粉対策がより盤石になり、すこやかな髪の毛というおまけまで手にすることができるのです。

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