LAで話題騒然!日本人画家「下田ひかり」を支える美しきキュレーター、カロ・ビューマンさんインタビュー

映画、音楽、ファッション、フード、フィットネス……さまざまなトレンドの発信地、LA(ロサンゼルス)では、アートも当然のごとく盛り上がっています。ダウンタウン、ビバリーヒルズ、カルバーシティといった人気エリアを中心に、数多くのギャラリーがあります。そのギャラリーでは、毎週末展示会のオープニングが行われては、たくさんのアートファンで賑わっているのです。また、街中をドライブしていると、あちらこちらに人気アーティストによる壁画やグラフィティーがあり、私たちの目を楽しませてくれます。そのように盛況なLAのアートシーンの立役者の一人、美しきキュレーターのカロ・ビューマンさんのインタビューとともに、彼女が支える日本人女性画家についてご紹介しましょう。

日本人女性画家・下田ひかりさん

LAで話題騒然!日本人画家「下田ひかり」を支える美しきキュレーター、カロ・ビューマンさんインタビュー

LAのアートシーンで今最も注目を集めている日本人女性画家をご存知ですか?彼女の名前は「下田ひかり」。先日、ダウンタウンにある人気コンテンポラリー・アートギャラリー「コリィ・ヘルフォードギャラリー(Corey Helford Gallery)」で行われた個展のオープニングには、数百人を超える人々が来場し大変な評判でした。私は、彼女の功績ながら、同じ日本人として、とても誇らしく嬉しい気持ちになりました。

どうしてそのような気持ちになったかというと、実は、彼女のイラスト表現をベースにしたアートスタイルは、なかなか日本でマーケット拡大することが難しいと耳にしていたからです。そのような日本での逆境に諦めることなく、下田ひかりさんは、発想を転換させて、アメリカでの人気を獲得し、見事成功を勝ち取っていたのです。

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LAの美しきキュレーター・カロ・ビューマン

日本人女性画家の成功の影には、日本を愛する敏腕かつ美しき※キュレーター、カロ・ビューマンさんの貢献がありました。カロさんは日本人女性のように、華奢な体でガーリーなファッション(この日は彼女が大好きなマーク・ジェイコブスのドレスを着用!)やヘアがとっても似合う女性。愛らしい容姿のカロさんですが、彼女と話しをしていると確固たる芯の強さを感じ取ることができます。
※アメリカにおけるキュレーターとは、展示会を企画し、開くだけにとどまらず、そのアートに対する考え方を通して、世界観、価値観を表現し、社会そのものを変えていくような活動をする人のこと。

カロさんは、その強い眼差しそのままに、日本を中心とする世界の若いアーティストを発掘し、成功への架け橋を築いてきた凄腕のキャリアウーマンです。もしも、あなたが下田ひかりさんのような成功を夢見ているならば、ぜひカロさんのようなサポーティブな存在が必要であることを断言します!これからご紹介する彼女の言葉を通して、あなたの夢がアメリカで開くような気がしたら、勇気を持って大きな一歩を踏み出してみてはいかがでしょう?アメリカでは、彼女のような人がまだまだたくさんいて、あなたの才能を求めているかもしれませんよ。

カロ・ビューマンさんインタビュー「確実に希望はある!」

ーまずは簡単な自己紹介をお願いします。

カロ・ビューマン(以下カロ):私はマイアミ州で生まれ育ち、フロリダのカレッジでイラストレーションを専攻してアニメーションについて学んだ後、2006年にアート業界の仕事のためにロサンゼルスに移り住みました。さまざまな出会いを通して、日本へ旅行する機会があり、スタジオ・ジブリの方々と出会ったことが大きなインパクトとなり、後に日本人アーティストと仕事をする現在の私のキャリアに影響を与えました。現在は下田ひかり(*敬称略。彼女の発言のまま)の代表、そしてダウンタウンにある「コリィ・ヘルフォードギャラリー」のキュレーターをしています。

仕事とのバランスを考えて趣味をとても大切にしていて、ハイキングやスキューバ、乗馬といったアウトドア、それに音楽も大好きで「ポリシックス(POLYSICS)」「スペースホッグ(SPACEHOG)」「リーズ(LEEDS)」やデヴィッド・ボウイなどの音楽を愛聴しています(私が取材で訪れた時も彼女はSPACEHOGの音楽を聴きながら作品ディスプレイやSNSの管理などを行っていました)。1970年代のロックやファッションが大好きなのです。

ーカロさんが日本のアートに魅了されたきっかけとは?

カロ:日本のアートとの出会いのきっかけとなったのはアニメーションとコミックです。『風の谷のナウシカ』を高校生の頃に見て、ジブリを初めて訪れた時がターニングポイント。初めて日本に行った2008年に、「カイカイキキギャラリー(Kaikai Kiki Gallery・世界的に有名な現代美術家にしてポップアーティスト、村上隆氏のプロダクションが設立したギャラリー)」がオープンして、そこで個展を行ったサーナ・ホンが当時私の仕事仲間だったのですが、それが私にとって日本のコンテンポラリー・アートの2度目の出会いとなりました。2008年から約10年、私は何度も日本へ足を運びました。多い時は月に1度、日本人画家の代表として、あるいはキュレーターとして訪れています。東京は世界のアートの中心都市だと思いますし、日本の若い才能に出会い、発表することは私にとって特別なことなのです。

村上隆氏の作品。@takashipom からの引用

 

ーカロさんが感じる日本のアートの魅力を教えてください。

カロ:外国人の立場から話をすると、私が日本で気づいたことは、多くの日本人アーティストが日本人ならではといえる深い感性を持っていることです。一人の若いアメリカ人女性である私にとって、日本のカルチャーをもっと知りたいと思う契機となったほど、一番好きなポイントでもあります。その最たる例は、「村上隆」さんではないでしょうか。彼の作品は誰でも知っていますが、彼はポップなシンボルを使い、明るい色とカワイイ文化の魅力を最初に広めました。彼の作品には、生来の日本文化の要素が含まれていて、先祖代々受け継がれた文化が基礎にあり、象徴的なアニメにインスパイアされたスタイルに、ドラゴンと仏陀がミックスされています。例えを挙げるとするならば、そういうことですね。

ー下田ひかりさんに訊ねたところ、カロさんは誰よりもひかりさんの作品を理解し、情熱を持って紹介してくれる、だからこそ日本のマーケットを含めカロさんにお仕事を託していると仰っていました。

カロ:そのように言ってもらえて嬉しいです。ひかりと私は、異なる見方から同じ興味を共有していると思っていますし、それに同じく若い女性同士。だから一緒に仕事ができるのかもしれませんね。

私がひかりと出会ったのは、2012年に表参道ヒルズで開かれた展示会のオープニング。それ以来、連絡を取り合っていました。「作品をアメリカのギャラリーで紹介したい」「国際的なマーケットへと広めていきたい」というひかりの思いを知って、手伝うことを提案しました。そして、2014年にLAで初の展覧会を行いました。その1年後、その展覧会を行った「コリィ・ヘルフォードギャラリー」で私は専属のキュレーターとなり、以降彼女と一緒に仕事をしています。ひかりは世界的な文化と人間の条件に対して深い関心を抱いています。彼女はその思いを作品の中で論じていて、私は彼女のそんな思いを多文化へ広めているのです。

ーひかりさんの作品に対するアメリカ人の評価とは?

カロ:アメリカのひかりのファンは、さまざまな理由で彼女の作品に興味を抱いています。私のように彼らも、社会の現実を描いた彼女の魅力的なファンタジーの世界に魅了されているのではないかと思います。彼女の展示会のオープニングやインスタグラムには、「すっごくかわいい!」という声が聞かれますね。彼女は“幸せな色調”や“カワイイ”をとても意識していて、それが彼女のファンを惹き込むきっかけとなっていますが、そういった特徴が、彼女の作品のコアとなっている「安楽」ではないテーマへの導入部分として、貢献しているのではないかと思います。

LAで話題騒然!日本人画家「下田ひかり」を支える美しきキュレーター、カロ・ビューマンさんインタビュー

ー日本ではひかりさんのようにキャラクターやイラストレーションを主軸に置いた作品の成功は難しく、村上隆さんや奈良美智さんですら、日本と海外で人気の格差をはっきりと感じます。このインタビューを読んでいる日本の若いアーティストの方へ何かアドバイスがあればお願いします。

カロ:若い世代のアーティストにはっきりとお伝えしたいことがあります。それは、「確実に希望がある」ということです。顧客、キュレーター、あるいは私のようなアーティスト・マネージャーであろうと、努力なくして「あなた」を見出すことはできません。もしあなたがアメリカで展示会をやりたいならば、アメリカへ行き、ギャラリーを訪れてください。初めて会った時点で、ひかりは展示会へ足を運ぶことやネットワークを築くことに、とても積極的で、すでに自分のホームページを構築していました。世界中のアーティストにとって、SNSは、他のアーティストやアート業界の人々と繋がるポータルとしてとても重要なものになっています。「あなたがオンラインでなければ、あなたは存在しない」といわれているほどです。使える手段やソースは可能な限り使って頑張ってくださいね。

インタビューを終えて

LAで話題騒然!日本人画家「下田ひかり」を支える美しきキュレーター、カロ・ビューマンさんインタビュー

「確実に希望がある」の一言は、カロさんがマイアミからLAへ夢を叶えるために移り住み、手にした成功があるからこそ力強く私の心に響きました。そして、ひかりさんの行動力も。今回の個展を通じて、私は直接ひかりさんと接する機会を得ました。作品にみなぎるパワーやメッセージと同じくらい、自分のヴィジョンをハッキリと持ち、それを言葉にして、多言語でもカロさんと心を通わせるために真摯な姿勢で臨んでいた姿が印象的でした。

自分の夢に向き合い、日本で思うような評価や結果が得られなくても、今はグローバルな時代です。まずはSNSなどを使って、あなたの夢をシェアして、自分の夢にリンクしそうな場所へ足を運んでみる勇気が必要なのかもしれません。もしかすると、ひかりさんとカロさんのような運命的な出会いがあるかもしれません。私もひかりさんの行動力と、夢を抱く全ての人に希望を与えるカロさんの言葉によって、自分の可能性にもっと前向きになってみようと思っています。

参照

下田ひかりさんのホームページ
http://www.hikarishimoda.com

下田ひかりさんのインスタグラム
https://www.instagram.com/hikarishimoda

Gallery内の下田ひかりさんのページ
http://www.gallery.com/artists/hikari-shimoda/

カロさんおすすめのバンド「Leeds」ホームページ
https://www.roystonlangdon.com/

この記事を書いたライター

音楽ライター/DJ/司会者として、TV、ラジオ、雑誌で活動。2011年に移住後も日本のメディアへ、LA発のエンタメやゴシップ、美容やファッションなど幅広い最新情報をレポートしている。在米生活でふくよかになりすぎた体をシェイプアップすることが最近の目標。

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